DA PUMP ISSA、2018年あなたほど“継続は力なり”の精神が似合う存在が他にいた?

カルチャー

2018.12.18

「♪C’mon,babyアメリカ ドリームの見方をInspired」
 今年の春、日本全国にこの歌詞と独特なメロディーが流れまくった。音楽だけではなくその独特さは、ミュージックビデオの振り付けにも注目が集まり、猫も杓子もハイ、みんなU.S.A!

ブームの中心には堂々とそびえ立つISSAの姿。「あれ、この人まだDA PUMP?え、息子?」昔の彼を知っている年代からすると、その姿に一瞬キツネにつままれた気分に。それほど彼は容姿を変えることなく、90年代からふわりと舞い戻ってきた。そう、彼は大人気のアイドルだったのだ。
ISSAが築いてきた、どきゅーん ずきゅーん!な爪痕をみなさまに教えたい。

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説明不可能のごきげん!な歌詞は90年代から続く

私がDA PUMPの人気を肌で感じたのは皮膚科の待合室。テレビに『U.S.A』が流れ始めた瞬間、子どもが大はしゃぎで踊り出したこと。メディアで15年以上、モノ作りに関わっていると子どものハートをキャッチするのがいかに難儀なことか知っている。

改めて『U.S.A』の歌詞を読んでみたものの、ただの「カモンベイビー」を「C’mon,baby」と表記している時点でDA PUMPワールドに心が持っていかれそうになる。検索すればすぐに歌詞は出てくるのでぜひ読んでほしい。

そもそもDA PUMPは1998年4人組グループとしてデビューした。当時のメンバーで残っているのはISSAだけ。レコ大やら日本ゴールドディスク大賞やらの受賞経験があるアイドルであり、アーティスト。パフォーマンスもキレは抜群だった。作詞や楽曲にはこちらも当時大人気だったm.c.a.tがスタンバイして、ダンスチューンをひたすら世に流していた。ちなみに私はSHINOBUのファンだった。彼は今一体何をしているのだろう。

さて気になる歌詞を探ってみようか。

「♪Feelin’ Good 悩める街で見つけたパラダイス(中略)おとなもこどもも共感の好きっ 好きっ power! いい感じ」

こちらが1997年発売のデビュー曲『Feelin’ Good―恋はパラダイスー』の歌詞。もうノリだけしか感じられないのだが、ISSAがパワフルな声量で歌っていたことを思い出す。

「♪どきゅーん ずきゅーん 胸打つ まなざしはかなり挑発的な奴だ(中略)ばくーん どくーん高鳴る 俺の鼓動かなり」

私が一番記憶に残っている1998年発売『ごきげんだぜっ! 〜Nothing But Something〜』の歌詞。ズバリ言うと意味がよく分からない、言葉が全てノリに包まれているような状態だと思う。そう、今年大ヒットした『U.S.A』と変わらないのである。でもそのインパクトに魅了されてつい目で追いたくなってしまうのがDA PUMPだ。2000年に発売された『if…』で大人びたバラードを歌っていたこともある。でもある意味、衝動的すぎる上記2曲にはかなわない。

今から20年前、20歳のISSAは40歳の今と何ら変わらないテンションで踊っていた。そこからメンバーの脱退や紆余曲折があって、いつの間にか世間の視界から少し外れていた。

日本中から呼び捨てにされるISSA(40)は単純に可愛い

さらっと調べてみるとISSAはデビュー当時ほどの活躍ではなかったものの、芸能活動はきっちりと継続していた。今年のブレイク直前にはミュージカルに出演するため、電車で移動する様子がインスタに上がっている。年末には紅白出場歌手になる人が直前まで公共交通機関を使っていたとは、何とドラマティックな話だろうか。

彼を見ていると思うのが、自分を信じること=自信を持つこと。そして継続は力なり。

20年前に『U.S.A』と同じ雰囲気の音楽をDA PUMPに差し出されて、当時の若者(私含む)は夢中になった。そして同じ現象が2018年に繰り返されて、今度は老若男女を巻き込む“平成最後の顔”のひとつになったのだ。先日武道館で行われた『WADA fes~断れなかった仲間たち~』で、パフォーマンスを拝んできたけれどISSAのダンスは30代のメンバーのセンターに立っても、衰えはゼロ。素晴らしかった。

その動きを見ているうちに何だかISSAが可愛い人だと思えてくる。よく考えたら芸名とはいえど、日本中から男女問わず呼び捨てにされている中年男子も珍しい。カッコ良さもあるけれど、そこには彼が信念を曲げることなかった精神も影響しているのではないかと言うのがスナイパー小林予測。

そしてラストにもうひとついい話。ISSAについて色々と情報を集めつつ、記憶を辿っていくとひとつの友情が見えた。彼は『沖縄アクターズスクール』の出身で、今年引退した安室ちゃんの同期だ。今年の9月17日に出演した『MUSIC STATION ウルトラFES』(テレビ朝日系)で、引退した彼女への粋なはからいなのか『a walk in the park』の振り付けをするシーンが話題になった。

……ふと思った。彼女のあまり知られていない伝説の曲にカップリングにSUPER MONKEY'Sの『ミスターU.S.A.』という曲がある。これが9月16、17日に沖縄で行われていたラストライブのセットリストに入っていたのだ。生で聴ける貴重な機会なだけにファンは歓喜。そしてよく考えたら“U.S.A.”というワード……? これはひょっとしたら21年ぶりにMステへ出演する同期に向けての応援だったのかもしれない。そう思うと、友情にも厚いISSAがますます可愛く思えたのである。ああ、今年はあと何回あの曲が聴けるのだろうか。

プロフィール
スナイパー小林/小林久乃
ライター兼編集者。ドラマヲタが高じてウエブ『マイナビニュース』『テレビドガッチ』でエンタメコラムを連載中。男性ファッション雑誌『2nd』にて「ちょっとどーなの?お洒落メンズ』にて辛口連載も。ついでに書籍や写真集もバンバン、ガンガンとディレクションする働き者。静岡県浜松市出身の独身。近況はツイッター@hisano_k

イラスト/小関恵子

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