ひと口食べて「ビックリ」の連続?ショコラティエールの生み出す宝石のようなチョコレートとは

料理・グルメ

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 LE PETIT BONHEUR キャラメルコフレ

2021.02.25

チョコレートをこよなく愛するライター・みやむらけいこによる連載「人生はチョコレート」。第4回はLE PETIT BONHEUR(東京・自由が丘)廣嶋恵さんが生み出す超LOVELY!なチョコレートに出逢います!

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ビックリさせられるチョコレートって?

LE PETIT BONHEUR出典:le-petit-bonheur.jimdofree.com2021バレンタイン限定キャラメルコフレ

ショコラティエ―ル(女性のチョコレート専門菓子職人)の作品にはいつも「びっくり!」させられるのです。ペーパーバッグのデザインに、ボックスの装いに、チョコレートのカラフルなルックスに、ひと口かじって見た断面に、口の中で溶け出した想定外のテイストに…ああ、キリがない(笑)。海外だけでなく、日本でもショコラティエの活躍には男女の差はありません。多くのショコラティエ―ルが腕を振るって、個性あふれるおいしいチョコレートを日々生み出しています。差はないとはいえ、「素人チョコレート愛好家」は、思うのです…男性ショコラティエの作るチョコレートよりも、女性の作品の方が断然、自由奔放で奇想天外で、口に入れると、びっくり仰天! 圧倒的な「個性」が、チョコレートの中にしっかりと宿っているのです。
特徴の1つとしては、カラフルでヴィジュアルに凝ったチョコレートが多いように感じます。また、見た目に負けず、お味も実に鮮やか。また、いくつかのフレーバーの「合わせ技」が多い、というのもショコラティエ―ルの作品を味わう上で大切なキーワードになりそうです。
今回は、「素人チョコレート愛好家」(くどい)を名乗る私の知る中で、最もLOVELYなチョコレートを生み出す、廣嶋恵さんをご紹介します。

圧倒的にカワイイ! LE PETIT BONHEURのチョコレート

LE PETIT BONHEURクリスマス出典:www.instagram.com大人も子どもも思わず「カワイイ!」と声に出してしまう…圧倒的な可愛らしさが魅力。

季節外れになってしまいますが、まずはLE PETIT BONHEURのクリスマス限定のチョコレートを見てください! この写真を幼稚園児や小学生に見せて「これはみんなチョコレートです。赤いハートのプレゼントはいちご味、雪だるまさんはアーモンド……」と説明をしたら、きっとクラスの半分以上が「大きくなったらパティシエになる!」「ショコラティエ―ルになりたい!」と言い出すんじゃないでしょうか? そんな誰にでももわかりやすく「とってもカワイイ」のが廣嶋恵さんのチョコレートです。


一女のママでもあるショコラティエ―ル 廣嶋恵さん超キュートなチョコレートを生み出すのはちいさな女の子のママ

実は、廣嶋さんは1児のママ。そんなプライベートもこの丁寧に作り込まれた愛らしさが生まれる秘訣になっているのかもしれません。子育てとお仕事との両立について聞いてみると「仕事ができる時間が圧倒的に減ったので、そのしわ寄せで日々大変です。」と仰っていましたが、プライベートとお仕事の時間はできるだけ分けて、お子さんとの時間を楽しんでおられるようです。どんなお子さんに育ってほしいですか?という問いには「のびのび元気にたくさんの事に興味を持つ子になってほしいです」というお答えが返ってきました。他には無いおいしさとキュートなヴィジュアルの作品からも垣間見えるように、廣嶋さん自身もきっと「好奇心旺盛」な女性に違いない! ですね。お子さんの成長とともに、その都度作品にさまざまなテイストが吹き込まれ、母としてのキャリアとともに、どんどん今後も廣嶋さんのチョコレートが進化を遂げる予感がします。

The Road to Chocolatier. ―ショコラティエ―ルへの道―

OL生活にピリオドを打ち、パリへ!出典:www.photo-ac.comパリが、ショコラティエ―ルへの道のスタート地点。

LE PETIT BONHEURは、チョコレートの名店が多く、スイーツの有名店も軒を連ね、グルメなレストランが凌ぎを削る街、東京・自由が丘にあります。
この地に移転するまでは、大阪でお店を持ち、その前にはウェディングで定評のある大阪万博記念公園内の迎賓館にてシェフパティシエとして活躍されていたとのこと。
そんな廣嶋恵さんのプロフィールをひも解いてみると、チョコレート同様に「びっくり」です(笑)。実は、今まで私がお会いした料理、製菓の専門家の方々は、多くの方が調理や製菓の専門学校を卒業後に提携する国内外の学校やお店で修業をし、その後独立してデビュー!という道をたどっておられたのです。
ところが、恵さんは違います。(と、いつの間に名前呼び…)つい力を込めて言ってしまいますが、このデビューまでのルートの違いが、恵さんの作品の「びっくり!」な個性に繋がるのでは?と思っています。前置きが長いですね…それでは恵さん主演の「The road to chocolatier.」のスタートです。

LE PETIT BONHEUR店頭チョコレート出典:www.instagram.com種類の多さに驚く!恵さんのチョコレート

恵さんは学校を卒業後、会社勤めを経験され、その後にお菓子の世界に転身……というキャリアの持ち主です。そう伺って、いくつか質問をさせていただきました。

ーーOL生活を経て、チョコレートの修業に入られていますが、会社時代はどのようなお仕事をされていましたか?また、転職をするきっかけは?

廣嶋恵さん: デパ地下に入っている会社の商品の企画開発の仕事をしていました。転職をするきっかけはお菓子を作るのが好きだったからです。

ーーいつ頃から「お菓子作り」を始められていましたか? 趣味でお菓子を作っている頃から「プロになる」決意はおもちでしたか?

廣嶋恵さん:小学校の4年生くらいからです。ずっとパティシエへの憧れはありましたが、決意したのは転職のタイミングです。
ーーお菓子の中で、やはり一番好きなのはチョコレートですか?和菓子やスナック菓子、スーパーやコンビニに並ぶものの中に好きなものはありますか?

廣嶋恵さん:チョコレートもケーキも好きです。和菓子も好きですし、コンビニスイーツは結構チェックします。

廣嶋恵さん出典:www.facebook.comLE PETIT BONHEURを構えて6年目を迎えた廣嶋恵さん

つまり、こうなのです。恵さんは「とってもお菓子が大好き」だということ。こう言うと「パティシエだから、ショコラティエ―ルだから当たり前」と言われるかもしれませんが、いえいえ恵さんの「大好き」はちょっと想像を超えたレベルなのだと思われます。なんといってもOLを辞めて、パリへ語学と製菓の学校へ通うために飛んでしまったという経歴の持ち主。おそらく多くの人が「フランス語は話せないし、お菓子も習ったことないしな。」としり込みしてしまい、まずは日本で製菓学校へ通い、フランス語を習ってから海外へ…となるところを、「2つ飛ばし」でフランスへ旅立ったところにたくましい行動力とお菓子への深い愛情を感じます。
2年間のパティシエ、ショコラティエとしての修業が終わったあとは、帰国後、フランス料理とフランス菓子の学校 Le Cordon bleu (ル・コルドン・ブルー)で働き、フランス人シェフから更にフランス菓子・ショコラについて学ばれたそうです。そして、ついにシェフパティシエの職に就いたのが、大阪迎賓館。恵さんが、ウエディングではとても評価の高いこちらで腕を振るわれていた当時の記事を見つけることができました。記事の中でパリでの2年間の修業時代を「とにかく周りの人に恵まれたんですー!」と笑顔で話されています。記事に書かれている通り、人にも仕事にも誠実な恵さんだからこそ、いつでもどこに行っても誰からも愛され、大切にされるのでしょう。やはり、チョコレートは作り手そのもの、ということですね。

可愛い!おいしい!の「ど真ん中ストレート」

 

フランボアーズピスタチオ出典:chocolate.bishoku.infoときめきの赤いハートはフランボアーズピスタチオ

バレンタイン・ホワイトデーやクリスマスなどのイベント前には、冒頭の写真のような限定コレクションが発売されていますが、普段のLE PETIT BONHEURでは、ボンボンショコラを1粒ずつ購入することができます。またこちらのようなセットものでは「お酒の有無」などをリクエストして、それぞれを「おまかせ」で詰めてもらうこともできます。ビターが好きな人、ミルク系が食べたい人、色々いらっしゃるとは思いますが、まずはこちらでチョコレートを求める際には「おまかせ」チョイスにされることをおススメします。なぜなら何度も言うように「びっくり!」の連発を楽しんでいただきたいからです。では、とびっきりキュートな断面からご紹介!

まるでデザートのような ひと粒

フランボアーズピスタチオ出典:chocolate.bishoku.info断面まで心ときめく美しさ!

ではここからは恵さんの「びっくり!」チョコレートのご紹介です。
とにかく外側のチョコレートが繊細で! 結果、うまく割れなくて(涙)「チョコレートのことならなんでも載ってる」チョコレート大事典さんから写真をお借りしました。(感謝!)こちらは1つ前の赤いハートの断面です。
彼女の名前は「フランボアーズピスタチオ」。断面を見てわかる通り、本当にこの薄い薄いチョコレートの中にフランボアーズのソース?いやシロップのような…とにかく、とろんとろんの赤くておいしいモノがあふれています。この甘くて酸っぱいとろんとろんのおいしさには、とにかく「びっくり!」なのですが、またこれをどうやって閉じ込めたのかが素人の私には大きな謎です。そして下にある美しいグリーンはピスタチオ。ヨーロッパの大御所ショコラティエもこぞってピスタチオのチョコレートを作っておられますが、おそらくこんなにも口どけが良く、しかも、マドモアゼル・フランボアーズと相性の良いピスタチオチョコレートは見当たらないのではないでしょうか? それだけではありません…この真っ赤なハートのツヤ感が、また完璧です。恵さんのチョコレートは、カワイイのど真ん中をどストレートで打ち抜く力強さがあります。そして、このマドモアゼル、これほどの美貌を備えていながら、中身だってとっても魅力的。もうこれはチョコレートの域を飛び出した立派な「デザート」の味わいです。

プラリネショコラ次は、エッフェル塔。よく見るとゴールドに輝いているのですが、伝わるでしょうか? ただチョコレートを型で抜いてエッフェル塔の形にしている…というものではなく、次の写真の断面を見てもらうとわかるように、こちらもきちんと中身のある、ボンボンショコラです。中にはサクサクと細やかな歯触りを感じるプラリネが! ん~これを嫌いな人っているのかなぁ…小さな子どもから甘いものを普段食べないおじいちゃんまで、きっとみんな「あ!エッフェル塔だ。あれ?何か入ってるね。」と笑顔になるはずです。このゴールドに輝くエッフェル党の中身はなんとプラリネ!チョコレートを溶かして型に入れただけじゃあないんです。

プラリネショコラの断面エッフェル塔には、みんな大好き!サクサクプラリネの秘密が潜んでいるのです。

と、ここまで書いてきて気づいたことがあります。
それは、「小学4年生」のころから、お菓子作りを始めた恵さん…最初のころはうまくいかないことも時にはあったんじゃないかな? と思うのです。例えば、ちょっと焦がしてしまったり、キッチンを汚してしまったり…でも、きっとそんな時も恵さんの作るお菓子を「おいしいね!」「上手にできたね」と優しくご家族が受け止めておられたのでしょう。
だから、恵さんは「お菓子作りが大好き」の気持ちを強く持ったまま、フランスで修業を積むことができ、一生一度のウェディングを彩るパティシエとして活躍し、みんなが心を奪われるキュートなチョコレートを生み出すショコラティエ―ルになることができたのです。
そんなことを考えていると、恵さんのご家族にも修業先のシェフにも「ありがとう!」と言いたくなってきました。
と、同時に…自分の子育てが「完璧な失敗」であったことにも気づかされました(涙)。
どんなお仕事にも苦労はつきものですが、「好き」を仕事にできることほど幸せなことはありません。子育てとは「未来の大人」を育てること、子どもの未来を思うならば、「好き」を家族で大切に応援し続けてあげる…それだけで、子どもにとっては大きな勇気と自信になるのです。キラキラと輝く恵さんのチョコレートを見つめながら、そんなことを考えました。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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著者

みやむらけいこ

みやむらけいこ

ライター歴20年。「あなたに逢いに行きます」取材ではなく出会い、インタビューではなく会話。わかりやすい言葉で丁寧に「ひと」を伝えます。好きなものは、サーフィンと歌舞伎、主食はチョコレート。#人生はチョコレート

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