「貯金しても大きい額の貯金にならないのはなぜ?」貯金をする際に”絶対やっておくべきこと”を家計のプロが伝授

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 「貯金しても大きい額の貯金にならないのはなぜ?」貯金をする際に”絶対やっておくべきこと”を家計のプロが伝授

2021.05.06

家計簿・家計管理アドバイザーのあきです。気の合うお友達にもなかなか相談しにくい「お金のこと」に悩んでいる人はいませんか? 有料相談に申し込むほどではないけど、ちょっと聞いてみたいお金の疑問に、家計簿・家計管理アドバイザーがお答えいたします。

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貯金をしてもすぐになくなる

平均年間90万円は貯金していますが、車の購入に当てたり奨学金を一括完済したりと貯まっても使ってしまうので大きい額の貯金にならず悩んでいます。貯金も節約も頑張っているつもりなのですが、貯まっても使ってしまい目に見える成果を実感できず不安です。

今回ご紹介するのは、「貯金をしてもすぐになくなってしまう」というお悩みです。

貯金をしても、大きな出費が続くとなくなってしまい、いつまでたっても大きな額の貯金にならない。そんなときは、家計のどこを見直したらよいのでしょうか。

貯金がすぐになくなる原因は?

貯金出典:www.photo-ac.com

今回の相談者さんは「貯金をしてもすぐになくなる」ということに不安を抱えているご様子ですね。

私は、これまで1000件以上の家計相談をお引き受けしてまいりましたが、同じようなお悩みをかかえている方からのご相談は比較的多くいただきます。

結論からお伝えすると、このような現象は「使う貯金と使わない貯金を分けていない」ことから起こります。

相談者さんは「年間で90万円ほどは貯金している」と考え、「貯金から車の購入をしたり奨学金の一括返済をしたり」してしまうため、「貯金がなくなる」と考えられているようです。

しかし、このような支出は、ある程度あらかじめ想定できる支出です。

そのため、あらかじめ「これは車や奨学金返済に使う貯金」と「将来のために車や奨学金返済などにも使わない貯金」を分けておく必要があります。

貯金をした際に、この貯金は「万が一の場合や老後まで絶対に手を付けない貯金」といった具合に、当面1円たりとも手を付けない貯金として「使わない貯金」を分けておきましょう。

貯金の認識を改めよう

貯金出典:www.photo-ac.com

貯金を「使う貯金と使わない貯金に分ける」ことで、上記のような問題はほぼ解消します。

しかし、過去の家計相談の実績から考えると、「使う貯金と使わない貯金に分けることができない」といった悩みも多く聞かれます。家計が苦しく「使わない貯金を作ることができない」ということですね。

しかし、それができない場合、家計管理では「貯金ができているとは考えない」のが正解です。

まとまった額の貯蓄ができている方のほとんどは、このような「使う貯金」は「支出」として計上します。あらかじめ「支出」として考えているので、「貯金」としてはほとんどカウントしないのですね。カウントしたとしても、「これは使う予定がある貯金で、使わない予定の貯金はいくらある」などのように考えている人が多く見られます。

相談者さんも「年間90万円は貯金ができている」ということですが、その貯金額から「今年支払う大きな出費の金額を差し引いた額」が「本当の年間貯金額である」というように、認識を改められるとよろしいかと思います。

このように考えると、例えば、「年間90万円の貯金」から大きな支払い60万円を支払い、残りの貯金が30万円になっても、毎年30万円の「使わない貯金」を継続すれば、10年で300万円貯金ができることになり、まとまった額の貯金が可能になります。なお、この場合の年間貯金額は「90万円」ではなく「30万円」と考えます。

まとまった額の貯金をするには

今回は、「貯金をしてもなくなる」というご相談にお答えしました。

今回の回答は、少し手厳しいと感じる方もいるかもしれません。しかし、まとまった額の貯金を継続するのであれば、上記のように考えを改めない限り「貯金が貯まったと思ったらなくなる」の繰り返しになります。

「毎年しっかり貯金をしているはずなのに、いつまでたっても同じくらいの貯金額から増えていかない」と感じている人は、このような「家計管理の認識違い」をしていることが多いので、ぜひ取り入れてほしいと思います。

どこかで認識を一度あらためると、それ以降はうまくいくようになり「まとまった額の貯金」もできるようになると考えられますので、参考にしてみてくださいね。

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著者

あき

あき

東京都在住。夫、子供3人の5人家族。家計簿&家計管理アドバイザー。 節約主婦として日本テレビ「ヒルナンデス」、NHK「人生レシピ」フジテレビ「バイキング」などに出演。著書に「あきの新ズボラ家計簿(秀和システム)」他。 もともとは超がつくほどの現金主義だが、最近はほぼ全額キャッシュレス決済。ポイ活や家計簿アプリにも詳しい。

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