「子どもを塾に行かせる」より実は重要だった。“小学生の子どもには個室が必要”な理由【教育のプロ、矢萩邦彦先生に聞く】

家族・人間関係

stock.adobe.com
 「子どもを塾に行かせる」より実は重要だった。“小学生の子どもには個室が必要”な理由

2021.07.02

子どもが大きくなるにつれて家のリフォームや、思い切って引越しを考えるご家庭も多いかと思います。子どもの発達段階に合わせて個室を作ってあげることは大事ですが、経済的な理由でそうもいかない場合、どうしたらいいのでしょうか……。 教育のプロであり、2020年に住宅設備機器・建材メーカー「LIXIL」と”イマドキの教育に応える住まい”について研究し、今年『探究ホーム』プロジェクトを立ち上げた矢萩邦彦先生に子どもが自主的かつ、能動的に勉強するような環境作りについて教えてもらいました。

広告

塾に投資するよりも家庭環境の見直しを!

「コロナ禍において勉強方法も大きく変化をしています。学校から一人一台、タブレットが与えられている地域もありますし、zoomでの授業も当然のように行われています。社会の変化により、勉強する環境も大きく変わってきているので、子どもの生活環境を整えようと考える親御さんも少なくはありません。

タブレットで勉強する子供出典:stock.adobe.com

決して安くはない塾代に投資をするご家庭もあるでしょうが、私は住環境に投資をしたほうが子どもにとっては有意義だと思っています。子どもが長い時間、過ごす家を編集可能にしておくことは身体的にも大いに影響のあることです。

たとえば、勉強する机の位置をコロコロと変えることができるなど、編集ができる環境の中で育つと、どんなことにも対応できる柔軟な人間になります。発想も豊かになりますし、切り替えも早くなるでしょう。机はこの位置でないとダメと決めつけるのではなく、移動可能な机に変えるなどして、子どもの気分で勉強ができる環境が大事です。そのためには、親御さんの柔軟な対応も求められます」

子ども部屋の間取りは、ついつい親が口を出してしまいがちですが、家具の配置についてや、勉強しやすい環境については親子で話し合うことが大事ということですね。

個室こそ世界に開かれた世界

個室出典:stock.adobe.com

「子どもに個室を与えてしまうと、どうしても閉じた世界というイメージから、ひきこもりの心配がでてくる人も中にはいるでしょう。実はその考え方、いまや真逆です。優先順位をつけて能動的に学べる子どもにとっては、個室こそ世界に開かれるのです。

インターネットを活用することで、心理的にリビングからでは繋がりにくい世界へのアクセスが容易になります。ですから思春期になり、子どもから要望があれば、個室を準備することも考えてみてください。最近では、学校や塾もオンライン授業が増えており、学びに個室は欠かせない時代となっています。リビングでオンライン授業を受けている子は、発言数が少ないという結果も出ています。本人にとっても個室で集中するほうが臨場感も伝わってくるでしょう」

広告
saitaとは
広告