多くの人が“日焼け止めの塗る量”が全然足りない!?美肌を保ちたいなら知っておくべき日焼け止めの適正量

心と体

 日焼け止めの効果がない…と思ったら見直すべきは「量」

2021.07.09

日焼け止めを塗っているつもりなのに、気づいたときには、時すでに遅し。「うっかり焼け」をしてしまったことはありませんか? 高SPFの日焼け止めを選んでいるはずなのに…なんで?そんなご経験の方も多いのではないでしょうか。 実は、日焼け止めの強さを表すSPF、PA値は日焼け止め選びの“参考”程度にしかなりません。その理由と、うっかり焼けをしないための「日焼け止めの正しい使い方」をご紹介します!

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もくじ

SPFとPAの違いって?
・「SPF」って?
・「PA」って?
発覚!日焼け止めの塗る量が足りていない事件
日焼け止めを塗る時の注意点
・日焼け止めの塗り方1:必ず重ね塗りをすること
・日焼け止めの塗り方2:日焼け止めは原則混ぜない!
日焼け止めの塗り方3:メイク下地と併用するときの順番は日焼け止めが先!
日焼け止めは量が命!

SPFとPAの違いって?

SPFとPAは高いほどいいはウソ!?

そもそも、SPFとPAはそれぞれ何を表しているのか知っていますか?これらは「紫外線防御指数」といって、紫外線をどれだけ防いでくれるかを表している数値です。

・「SPF」って?

「SPF(Sun Protection Factor)」」は、紫外線によって引き起こされる急性の炎症「サンバーン」の防止効果を表す数値です。
サンバーンは肌をヒリヒリと赤く炎症させる他、過剰に浴びると皮膚ガンの原因となる「UV-B」によって引き起こされます。SPFは数値が大きいほど効果は高くなります。現在は1~50までの数値で表され、それ以上の強さでは「50+」と表記する決まりになっています。

・「PA」って?

「PA(Protection grade of UVA)」は、その名の通り「UV-A」の防止指数です。紫外線を浴びると即時的に黒くなり、数時間で消えるサンタンはUV-Aによって引き起こされます。加えて、UV-Aは皮膚の奥深くにある真皮部分にまで到達し、シミやシワ、たるみの原因となる怖い紫外線でもあるのです。
PAは+、++、+++、++++と4種類で表され、+が多いほど効果が高くなります。

発覚!日焼け止めの塗る量が足りていない事件

日焼け止めを塗っても焼ける

これまでの話を聞くと、「SPF50+ PA++++などの、出来るだけ高い日焼け止めを塗っておけば安心」と思われる方もいるのではないでしょうか。
ところが、近年の研究で、「うっかり焼け」をしてしまう理由として殆どの人が日焼け止めの量が足りていないことがわかったのです。

SPFやPAを表示すためには、国際規格に則った試験法を実施する必要があります。その試験法とは、1cm2に2mgの日焼け止め剤を塗布し、測定するというものです。

というのは、実際の使用量よりもかなり多いです。商品によってはお顔が真っ白になってしまったり、分厚すぎてファンデーションがよれてしまったりするほどの量です。

実際、一般の方が何気なく使用してい日焼け止めの量は、ミルクタイプで0.3mg、スプレータイプで0.5mg、ジェルタイプで1.2mgと、中には半分以下の量しか塗っていないことがわかりました (1)。

「うっかり焼け」は、日焼け止めに記載されている数値と、少ない塗布量によるギャップが原因なのかもしれません。

日焼け止めを塗る時の注意点

日焼け止め出典:www.canva.com

では、「うっかり焼け」をしないためにはどのように日焼け止めを使えばいいのでしょうか?
正しい日焼け止めの塗り方をご紹介します!

・日焼け止めの塗り方1:必ず重ね塗りをすること

私達が塗っている日焼け止めの量は、自分でしっかり塗っていると思っている人でもかなり少ないです。日焼け止めを塗る時は、必ず重ね塗りをしましょう。
一度に大量の日焼け止めを塗ると、ベタベタしたりムラづきの原因になったりします。薄い層を重ねる感覚で塗ると、テクスチャーを損ねずにしっかり日焼け止めを塗ることができますよ。

目安はミルクタイプでパール粒2個分、ジェルタイプは1円硬貨2個分です。特に、ミルクタイプを塗る時は薄くならないように気をつけてください。油膜感があるため“塗った感”が出ることから、薄づきになりがちです。

スプレータイプは厚く塗るとテカりが出てしまうこともあるため、最後の仕上げや2,3時間毎のお直し用としての利用がおすすめです。

・日焼け止めの塗り方2:日焼け止めは原則混ぜない!

日焼け止めは混ぜない!

たまに「SPF20とSPF30の日焼け止めを重ねるとSPF50になる」と思われる方がいますが、そんなことはありません。SPF50の日焼け止めを重ね塗りしてもSPF100にならないように、2種の日焼け止めを重ねても紫外線防止効果が急上昇する訳ではないのです。

それどころか、組み合わせが悪いとウォータープルーフだったのに汗水に弱くなってしまったり、乳化していたのが分離してしまったりなど、肌の上で化粧品の質が変わってしまうこともあります。必ず同じ種類の日焼け止めを重ねるようにしてください。

ミルクタイプの日焼け止めをしてから、仕上げにスプレータイプの日焼け止めで完成させるのはOKです。

日焼け止めの塗り方3:メイク下地と併用するときの順番は日焼け止めが先!

日焼け止めの塗り方出典:stock.adobe.com

メイク下地&日焼け止めの使い方は、基本的には日焼け止めの上にメイク下地です。
メイク下地は、ファンデーションとの密着しやすいようにできているためファンデの直前がいいからです。
下地と日焼け止めは相性がよければ重ねてもOKです。

重ねてもいいかどうかのチェック方法は2パターンあります。

1:化粧膜が壊れていないかチェック!
・もろもろとしたものが出ないか?
・下地が均一に伸びているか?

2:塗る前に、ミルク型かバター型かチェック!
手の甲にコスメを塗り、水を数滴かけます。
水と馴染めばミルク型。水を弾けばバター型。
ミルクの中でバターが分離してしまうように、日焼け止めも分離してしまうためです。同じものを使うのがおすすめです!

日焼け止めは量が命!

日焼け止め出典:www.canva.com

日焼け止めは、どれくらいの量を塗っているかで紫外線防止効果が大きく変わってしまいます。薄く塗られがちなミルクタイプやスプレータイプは、みずみずしく気持ちよく伸び広げられるジェルタイプと比較して効果が低くなりがち。

量をしっかり付けるか、ジェルタイプへ切り替えなど、ご自身が気持ちよく使える日焼け止めを探してみてくださいね。

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著者

理系美容家かおり

理系美容家かおり

⼀般社団法⼈美容科学ラボ代表理事。理系美容家。化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。美容セミナー講師や美容メディア監修、化粧品開発・PRコンサルティング等を行う。科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。 MAQUIA(集英社)公式ブロガー、@コスメ ビューティースペシャリスト、入浴指導士 クイズ!脳ベルSHOW(BSフジ)出演など幅広く活動中。

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