「カッとなって怒鳴っちゃった…ダメな親だな…。」子育てに自信が持てないとき思い出したい“3つの視点”

家族・人間関係

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 子育てに自信が持てないとき思い出したい“3つの視点”

2023.03.12

臨床心理士・公認心理師のyukoです。親子喧嘩をすると、「どこで育て方を間違えたんだろう」と、ふと感じてしまうことはありませんか?自分がしてきた子育ては合っていたのか、自信がなくなるときもありますよね。何が正解かわからなくなったとき、思い出してほしい大切なことを考えました。

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もくじ

子育てで自信をなくすのはどんなとき?
自分の育て方が合っているか自信がないときに思い出したい3つのこと
親が子どもに求めている「普通」を見直す
一般論が正解ではない
子どもに人生を託しすぎるのは要注意

子育てで自信をなくすのはどんなとき?

  • 疲れていて子どもを感情的に叱ってしまった。
  • 帰ってきたらいつもヘトヘトで手抜きご飯ばかり。
  • 何度注意しても子どもが言うことを聞かない。
  • 子どもの成績が全然上がらないし、机にも向かわない。
  • 義父母に「私のときはもっとちゃんと育児に手間暇かけていた」と言われた。

忙しさに追われて余裕がもてなかったり、子どもが思うように成長しないと、子育てに自信がなくなるものです。

そんなとき、どんな風に考えていけばよいのでしょうか。

自分の育て方が合っているか自信がないときに思い出したい3つのこと

親が子どもに求めている「普通」を見直す

子どもの成長が周りよりゆっくりなとき、親が思う「普通」ではないとき、自分のしてきた育児が違っていたのかなと思いやすいもの。
理想の娘・息子像や理想の親子像を目にすると、複雑な気持ちになるときもあるかもしれません。

ですが、ここで思い出したいのは、「子どもの個性×周囲の関わり方=子どもの成長」であること。
子どもの個性は、同学年であっても多種多様で、小学校の間は特に成長ペースの差が大きいです。

小学生出典:stock.adobe.com

親自身が思う「普通」とは何なのか、それは本当に子どもに求めるべきものなのかを今一度見つめなおすのが大切。
そして、親の育て方が子どもの成長に直結しているわけではなく、個性は子どもだけの特別なものであるという考え方も思い出してみてください。

一般論が正解ではない

ネットで「こんな子育てはNG」と書かれた記事を見たり、ママ友同士で話す中で「こういう育て方はかわいそう」などの言葉を耳にしたり。
そんなとき、”実際結構やってしまってるな”と感じると、間違った育て方をしてきた自分を後悔するかもしれません。
もちろん手をあげたり、傷つく言葉をなげかけるのはよくないかと思いますが、ネットに書かれている言葉も周囲で話される育児論もあくまで「一般論」に過ぎません。

実際は、それぞれの親子に事情があり、育て方には理由が隠れています。

例えば、

(人づきあいがすごく苦手な子だから、学校に行くのも大きなストレス。笑顔でいられるのは家で好きなゲームをしているときだけだから)ゲームの制限時間は特に決めず、ご飯を後回しにしてでもやり続けることがある。」

( )の中を知らなければ、周りは「え、大丈夫?」と感じますし、ネットでは「制限かけずにゲームをやらせるのはNG」とよく書かれていますよね。

私自身も、多くの方にとって役立ちそうな一般論を書きますが、個別に話を聞くときは、個性や親子それぞれの背景を優先して考えます。
その中では、生まれた瞬間から一番長く時間を過ごして子どもをよく見てきた親御さんの考えに勝る一般論はないとも感じます。

親子出典:stock.adobe.com

役に立ちそうな考え方のみ参考にし、当てはまらない考え方はスルーするスキルも重要なんですね。

子どもに人生を託しすぎるのは要注意

大人になると、なんとなく”自分の人生こんな感じなのかな”と見通しが立ってきますよね。
そんな中で子どもと関わっていると、これから何にでもなれる子どもを”希望”と感じたり、”私の分まで”と思いを託しやすくなります。

特に、結果が目に見えやすい受験や、就職・結婚などのターニングポイントは親の価値観が強く反映されやすいときです。

  • 自分は学歴で苦労したから、この学校以上のランクに行かなければ子どもの将来が不安だ。
  • このランク以上の就職先でなければ親戚への顔がたたない。
  • こういう相手でなければ、きっと上手くいかなくなるだろう。

子育てを通して親の人生をやり直している感覚があったり、子どもの教科書であろうとしていたら要注意です。

子どもをがんじがらめにする親出典:stock.adobe.com

「子どもの成功=親の成功」と感じられるときもあるかもしれませんが、「子どもの失敗=親の失敗」と感じ、親自身に自信を失い、子どもを責めすぎてしまうかもしれません。

親子であっても、異なる時代を生きる、別の人生である事実を思い出すのも大切です。

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著者

yuko

yuko

臨床心理士・公認心理師。現在は小児の総合医療センターと大学の心理教育相談センターにて勤務。児童期から思春期の子どもへのカウンセリングやプレイセラピー、子育てに悩む保護者の方への育児相談を専門にしています。色彩心理学やカラーコーディネートについても学んでおります。

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