“育児の負担が大きすぎる”とモヤモヤする人必見。子どもの「ママがいい」を「パパがいい!」にする方法

家族・人間関係

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 “育児の負担が大きすぎる”とモヤモヤする人必見。子どもの「ママがいい」を「パパがいい!」にする方法

2023.03.27

夫婦共働きの子育て世帯で起こりがちなのが、家事や育児の負担について。どちらか一方に大きな負担がのしかかると、夫婦関係にも亀裂が入ることも……。16年間の会社員生活を経て、共働きのモヤモヤや夫婦関係について発信をする尾石晴さんに、「夫婦の壁」の乗り越え方について伺いました。

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お話を伺ったのは……尾石晴さん

尾石晴さん 16年間の外資メーカー勤務の後、2020年4月に会社員を卒業。ワンオペ育児の合間に「ワーママはる」という名で発信をスタートさせ「voicy」トップパーソナリティに。現在は2人のお子さんを育てながら大学院生、ヨガ講師、文筆家とさまざまな顔を持つ。4冊目の著書『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』も大きな注目を集めている。

『「40歳の壁」をスルッと超える人生戦略』

「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略
著者:尾石晴
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
価格:1,650円(税込)

「今」やるべきことを緊急性と重要度で選別する

「今」やるべきことを緊急性と重要度で選別する出典:stock.adobe.com

――人によりますが、40代になると「夫婦の壁」や「子育ての壁」に加え、 「介護の壁」や「仕事の壁」などあらゆる「壁」が迫ってきます。そんないくつかの「壁」に当たった場合、どのように対処すればいいでしょうか。

40代で子どもがいる家庭の場合、育児や子どもの教育、夫婦の価値観の違い、自分のキャリア、介護などさまざまな問題に追われますよね。最初は小さかった「石」も積み上がっていくとそれはいつしか「壁」になっていきます。そうなる前にまずは、優先順位をつけるしかないと思っています。

子育て中は、掃除や洗濯などの「緊急だけど重要でないこと」に追われがちで、「緊急でない重要なこと」は後回しになりがちです。「緊急でない重要なこと」とはたとえば、夫婦の価値観のすり合わせや夫婦像、そしてこれからの家族のビジョンなどです。掃除、洗濯などの「緊急だけど重要ではない」ことは手を抜いても数日は大丈夫なので、今やらないといけないことか、そうではないことかの優先順位を決めることが重要ではないでしょうか。

――夫婦ともに忙しいと、夫婦の価値観のすり合わせや、今後も良いパートナーでいるための話し合いなどはなかなか難しい方もいそうですね。

そうですよね。ですので「夫婦の壁」を大きくしないためにも、夫婦間にある“石”を日頃から取り除いておくといいのではと思います。
植物と同じように人間関係も水をあげないと枯れていくと思うんです。お互いが意固地になっていると枯れていく一方なので、私の場合は夫とのコミュニケーションを取るのにLINEを使ってやり取りをすることもあります。不満を投げるというよりは、「相手に見えていないことを伝える」ということですね。

たとえば子どもを予防接種に連れていくとき、ただ単に予防接種に連れて行って欲しいと伝えるのではなく、予防接種を受けるには予約が必要だということ、予約や診察の際には母子手帳や医療証が必要なので、どこに保管しているか伝えるなど、夫が見えていなかったタスクを見える化して伝えるようにしました。すると、夫はただ単に病院に連れて行くだけじゃないんだ! ということに気づきました。
一度お願いすると、次からは予約の段階から任せることができますよね。小さなことでもまずは相手に伝える、という作業を繰り返してやり取りすることで、“石”を取り除くことに繋がると思うんです。

子どもの「ママがいい」を「パパがいい!」にするためには?

子どもの「ママがいい」を「パパがいい」にするためには?出典:stock.adobe.com

――育児をパートナーにお願いしたくても、子どもが嫌がる場合もありそうですね。尾石さんがそんなときに工夫していることはありますか?

平日にワンオペで家事・育児をこなしていると、子どもは週末も「ママがいい~」「ママじゃなきゃヤダ!」となりますよね。結局、夫は1人で自由なのに対して、自分は平日の延長戦のような形になってしまいます。
そこでわが家の場合は、子どもにとって「パパがいい~」となるところを考えていましたね。夫の得意な「虫取り」や「工作」はパパと楽しむ時間にしていたら、今は私が数日いなくても夫が子どもの面倒を見ることができます。
サッカーや野球、釣りや音楽など、子どもにとって「パパがいい~」ということは必ずあると思うので、パパを観察して、パパの得意なことで子どもを任せることができると、ママの方もゆとりができます。そうするとパートナーに対しての心持ちが変わるので、家族みんなが幸せな時間を過ごすことができると思います。

「できること」と「できないこと」の線引きはしっかりと

「できること」と「できないこと」の線引きはしっかりと出典:stock.adobe.com

――夫婦間で家事や育児のバランスがとれるようになると、ママのやりたいことを実現できるなど、希望が出てきますね。

そうですよね。私の場合は夫に子どもを任せたら、口も手も出さないことにしています。すべてをゆだねる気持ちがないとまた“石”が増えてしまうので、そこはポンっと任せています。また、家事も育児も何もかもを夫婦で半々にしたいと思う方もいますが、きれいに半分にはできませんよね。人には「得意」「不得意」や「できること」と「できないこと」があります。自分は何ができて何ができないか、パートナーは何が得意で何が不得意かなど、共通認識をしっかり持っていると、夫婦関係もスムーズにいくことが増えるんじゃないでしょうか。私も余裕がなくて歩み寄れないこともありますが、試行錯誤して小さな“石”を取り除きながら、歩み寄ることが大切なのではないかと思います。

「ママがいい~」「ママじゃなきゃヤダ!」は子育て家庭ではあるあるですね。週末も一人で家事・育児を担っているなら、ぜひ尾石さんのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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