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薄暗いところで「ものが見えにくい」は要注意。「老眼」の“5つの特徴”と“近視・遠視との違い”

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 薄暗いところで「ものが見えにくい」は要注意。「老眼」の“5つの特徴”と“近視・遠視との違い”

2024.04.21

手元にあるものを見ると目がかすんだり、頭痛や肩こりに困っていたりしませんか? じつはそれ、「老眼」の症状かもしれないのです。そもそも老眼とはどのような仕組みで起こり、どのような人にあらわれるのでしょうか。黒木明子先生に教えていただきます。

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教えてくれたのは……日本眼科学会専門医 黒木明子先生

黒木先生出典:kuroki.main.jp

長崎大学眼科入局後、同大学付属病院および関連病院勤務、ペンシルベニア大学留学を経て、2008年に医療法人くろき眼科を開業。患者の不安を少しでもやわらげられるように、最新の医療機器を用い、確実で誠実な診療とわかりやすい説明を心がけている。医学博士。

CHECK! もしかして老眼?

女性出典:stock.adobe.com

ここ最近、次のようなことに困っていませんか?

  • 近くのものが、見えにくくなった
  • スマホや本の小さい文字が見えにくい(※眼鏡やコンタクトレンズで矯正をした状態で判断してください)
  • 薄暗いところで、ものが見えにくくなった
  • 疲れやすくなった
  • 頭痛や吐き気、肩こりなどの症状がある

医療法人くろき眼科の黒木明子先生によると、これらの項目に当てはまる場合、老眼の可能性が考えられるのだそうです。

黒木先生 「老眼は、加齢によってピントを合わせる機能が低下する『調節異常』です。老眼により、手元にピントを合わせにくくなります」

なぜ老眼は手元の文字が見えにくいの?

老眼はすべての人に起こる」と黒木先生は解説します。

黒木先生 「人間の目には、『水晶体』という、カメラでいうところのレンズに相当するものがあります。近くを見るときはレンズ(水晶体)を厚くし、遠くを見るときはレンズ(水晶体)を薄くして、映像が焦点にきちんと合うようにピント調節しています」

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黒木先生 「若いときは水晶体の厚みを自在に変えられるので、遠くを見たり、近くを見たりするときに、瞬時にピントを合わせられます。しかし、年齢とともに厚みを変える機能が低下すると、ピントを合わせるのに時間がかかることがあります。また、水晶体が加齢により弾力を失って硬くなってくると、水晶体の厚みそのものを変えにくくなります。そのため、手元を見たときピントを合わせづらくなります。この状態が、『老眼』なのです」

「近視・遠視」との違いは?

老眼は加齢によって誰にでも起こると黒木先生はおっしゃいます。では、老眼と、近視・遠視は、どのような点が異なるのでしょうか? 黒木先生は、「老眼と、近視・遠視は、まったく別物です」として、次のように解説します。

黒木先生 「近視と遠視は、『屈折異常』といって、目の中に入ってきた光が、網膜(カメラでいうところのフィルムに当たる部分)のどこに焦点を結んでいるかで決まります。
近視とは、一般的に、手元は見えるものの、遠くが見えにくい状態のことを指します。角膜や水晶体の屈折(光を曲げる力)が強かったり、眼球の長さが長かったりすることが原因となり、網膜より前に像を結んでいるのです。

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黒木先生 「一方、遠視は、網膜より後ろに像を結んでいます。角膜、水晶体の屈折が弱いこと、眼球の長さが短いことが原因となり、遠くも近くも見えにくくなります。ピントを合わせようとするので、目が疲れやすい状態です。近視も遠視も、眼鏡やコンタクトレンズを使わなくても日常生活に支障ない方もいますし、眼鏡やコンタクトレンズを使用しないと見えにくい方もいます」

老眼は、近視・遠視と異なり、加齢によって誰にでも起こることなのですね。次回は、日常生活でやりがちな「老眼が進んでしまうNG行動」について、黒木先生に教えていただきます!

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