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【夫婦、ふたり家族】将来ひとりになることを想像するとツラい

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 【夫婦、ふたり家族】将来ひとりになることを想像するとツラい

2024.02.23

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:【夫婦、ふたり家族】将来ひとりになってしまったら…と想像するとツラい

悩む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 ミナミ 47歳)

私と夫、2人で暮らしています。

子どもがいないので、最近ふと「将来夫が先立ってしまったら、最終的に私はひとりぼっちなのか」と考えるようになり、考えれば考えるほど暗い気持ちになってしまいます。

今夫とはとても仲が良いので、なおさら寂しい気持ちがあるのかもしれません。ひとりで歩む人生は楽しいのか、生きがいはあるのか。

うさこさんのお考えを聞きたいです。

わたしなりの考え

回答

長年人生を共に歩んできたパートナーは、言葉では言い表せないほど、大切で大きな存在ですものね。人は誰もが死に向かっているとはいえ、いざその大切な存在とお別れしなければいけない時がきてしまったら、いったいどれほどの喪失感でしょうか。
 
私もミナミさんと同じ、夫婦2人暮らしの立場です。あまり想像したくないことではありますが、いつかは、私か夫、どちらかが一人になる時がくるでしょう。

私の考えを聞きたいとご質問くださっていますので、今回は、もしも私に夫と死別する時がきてしまったら……と考えてみますね。

身近な人との死別は、人生に大きな影響を与えるものです。

もしその時がきてしまったら……、その喪失感を果たして受け止められるものか、正直言って、私には自信がありません。

死別による深い悲しみや、それによって複雑に揺れ動く精神状態は、「グリーフ(悲嘆)」と呼ばれ、近年は「グリーフケア」という心理的なサポートも重視されています。私もいざその時が来たら、まわりの人やこうしたサポートを頼りながら、少しずつ悲しみを受け入れていくことになるのかもしれません。

相談する女性出典:stock.adobe.com

「ひとりで歩む人生は楽しいのか、生きがいはあるのか」と書いてくださっていますね。

どうでしょう。
私自身は、今とてもやりがいのある仕事をさせていただいていて、人生をとても楽しいものだと感じていますが、それだって、夫という存在が支えになっているからこそ、やりがいのある仕事に夢中になることができているのかもしれません。その支えを失っても、同じように意欲を感じていけるのか、正直、わかりません。
 
ですが、逆に、私が先立つことになった場合、夫にはどんなふうに生きていってもらいたいかな、と考えてみると、やはり夫には、一人になったその先も喜びや生きがいをもって生きていってほしいなあと願わずにはいられません。夫に出会えたからこそ、私は今、喜びの多い人生を生きることができています。だからこそ、私に与えてくれたその素晴らしいところを生かして、まわりの人とつながり、与え合い、ありがとうを言い合う喜びを感じて生きていってもらいたいのです。
 
そんなふうに考えてみたとき、私が一人になったとしても、「夫に出会い、たくさんのものを与えられた人生だったからこそ、その後もとっても心豊かに生きることができたよ」と最期の瞬間に思える私でいたいなあと思います。
 
「大切な人と一緒にいた期間だけが楽しかった」よりも、「大切な人と出会えたおかげで、自分の人生を最後まで心豊かに過ごそうと思える私になれた」と思えたら最高にうれしいですし、それが、大切な人への感謝を伝える、私なりの方法かなと思いました。もちろん、これはまだその時が来ていない今だから言えることかもしれないですけど。

夫婦
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ミナミさんは、いかがでしょうか。

ひとりぼっちになったら寂しいだろうな、一人で生きていくその先に楽しみや生きがいはあるのかなと心配になるほど仲の良いご関係、とっても素敵です。きっとお互いのことをとても大切に思い合えるパートナーシップを築いていらっしゃるのではと思います。
 
だからこそ、お互いに支え合いながらも、パートナーはパートナーの、ミナミさんはミナミさんの、それぞれの人生の生きがいや楽しみも大切にし合うことは、今を充実させると同時に、未来もしも一人になった時のお互いを支えることにもつながるのかもしれませんね。

ミナミさんのご質問のおかげで、私も大切なことを考える機会をいただきました。ありがとうございました。
 
とはいえ、これからもずっとずっと、仲の良い幸せなご夫婦の生活が続きますように。そしてミナミさんの人生がますます素晴らしいものでありますように。心から信じて、お祈りしております。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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