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「会話の途中で割り込んでしまう自分がイヤになる…。」【人生相談】心理カウンセラーが回答

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 「会話の途中で割り込んでしまう自分がイヤになる…。」【人生相談】心理カウンセラーが回答

2024.05.09

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:会話の途中で割り込んでしまう自分がイヤになる

悩む女性出典:stock.adobe.com

(栃木県 りんこ 45歳)

職場の人や、家族、友人誰に対してもそうなのですが、会話をしているときにあまり考えずに思っていることを言ってしまいます。

例えば会社の会議で誰かが何か説明をしている途中でも自分が感じたことをあーだこーだ言って場がまとまらなくなってしまったり、ママ友が旅行に行った話をしている時に「私もこの間山梨に行ってさー」と自分が思ったことを話したりしてしまいます。

しゃべっている途中で相手の表情を見てハッとしてまたやってしまった……と反省する日々です。
自分が相手だったら、途中で話を奪われ、イヤな気持ちになりますよね。

こんな自分が嫌になります。何かアドバイスがありましたら、お願いしたいです。

心の奥底でどんなことを信じていますか?

回答

気をつけようと思っているのに「またやってしまった……」と気づいて、落ち込んでしまう。そういうことってありますよね。
 
りんこさんの場合は、誰かが話している途中で自分の話をしてしまうことをやめたいのですね。
 
本当はやめたいのに、何度も繰り返してしまうパターン。その背景には、無意識の信じ込み=心の奥底で信じていること(心理学では、スキーマやビリーフと呼んだりします)が関係していることが多いんです。
 
たとえば「やりたいことにチャレンジできない」というパターンを繰り返している人がいたとします。きっとその人は「ああ。またチャレンジできなかった」と自分を嫌になったり、責めたりするかもしれませんね。

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そんな時に見ていくといいのが、「心の奥底でどんなことを信じているのだろう」という部分です。
 
たとえば、心の奥底で「失敗なんて絶対にあってはいけない」と強く信じていたとしたら、新しいことへのチャレンジはものすごくハードルが高くなるだろうと想像できますよね。

ですから、その信じ込みによって生きづらくなっているのだとしたら、「そりゃ失敗しないほうがいいけど、時には失敗してしまうこともあるよね」くらいに信じ込みをゆるめていくことで、やりたいことへのチャレンジがしやすくなっていくのです。

多くの場合、こうした信じ込みを私たちは自覚せずに生きています。
りんこさんの場合でしたら、心の奥底にどんな信じ込みがありそうでしょうか。

あくまでも一例ですが、たとえば「私の話は聞いてもらえない」とか「私は受け入れてもらえない」なんて信じ込みがあると、自分が「聞いてもらえない」「受け入れてもらえない」と感じる状況になることを回避したくなる=「他の人の話を聞くことよりも自分が話すことを優先したくなる」ことがあるかもしれません。

あるいは、「自分は認めらない人間だ」なんてことを信じ込んでいると、職場などで、つい「認められなくては!」と自分の意見を言うことに必死になってしまうかもしれませんね。

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もしもそんな信じ込みが自分の中にもありそうだなと感じたら「どうしてそんなことを信じてしまったのかな」とそのルーツも探してみてください。きっとそう信じてしまった背景には何か事情があったのだと思います。

いつの間にか信じてしまったこととそのルーツ。それらが見つかったら「そんな事情があったら、そう信じても仕方ないよね」と自分の事情を受け止めつつ、「でも、もうそんなこと信じなくていいよ」とその信じ込みから自分を解放してあげましょう。

りんこさんは、話を聞いてもらえない人でも、受け入れてもらえない人でも、認められない人でもありません。今まで強く信じてきたことをゆるめることで、きっと少しずつ安心して目の前の人の話に集中できるようになるのではと思います。

その上で、「この人は何を伝えたくてこの話をしているのだろう」「この人はどんな気持ちを感じているんだろう」そんなふうに相手の話に興味を持ってみてくださいね。自分の心が安心していれば、相手の話に耳を傾ける楽しさにも気づいていくはず。きっとどんどんコミュニケーションが楽しくなっていきますよ。

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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