30〜40代の友達は 数よりも関係性が大切!
メールやスマホ、SNSなどで、友達づくりの機会が多くなっている今、人間関係を広げ過ぎ、時間やお金をムダにしている人も増えています。「人間関係の数にこだわるのは、周囲からつきあいが少ないと人間として何か欠けているのではとか、寂しい人だと思われるのがいやだと感じるからなのでは」と指摘するのは、精神科医の水島広子先生。「幸せな人は、たくさんの友人に囲まれて明るく楽しく暮らしている」という思い込みを抱えている人も多いのだとか。「数は少なくても、友情関係で満たされていれば、ムダなつきあいに悩むことは少ないものです」
「本当に必要な人間関係」を見つけるためにも、まずは不要な関係からの距離のおき方・断捨離の仕方を学びましょう
悩み別人間関係の断捨離の仕方【お悩み①職場のつきあい】
職場のつきあいで、ランチや飲み会に行く機会が多く、出費がかさみ、「お金を稼ぎに行っているはずなのに、なぜ?」と、思ってしまいます。かといって、断るとつきあいが悪いと陰口をいわれた経験も。人間関係がぎくしゃくしたりしないよう、気を使います。(大阪府・会社員・36歳)
飲み会を断るときの言い訳は「自分を下げる」のがコツ
「職場でのつきあいは完全にやめることはできないので、基本的なところだけを押さえてつきあうとよいでしょう。飲み会は、忘年会と歓送迎会など、オフィシャルで重要度の高いものにしぼって参加すればOK。特に目的のない飲み会は断っても非常識ではありません。つきあいが悪いと陰口をいう人がいるなら『行きたいんだけど、家事がたまってて。私、要領が悪いから』などと、自分を下げた断り方をするのがコツ。『興味がない』など、否定的なニュアンスにならないよう気をつけましょう。『習い事がある』といった断り方も、上を目指す自分磨きととられ、マイナスイメージを与えるのでNGです」(水島先生)
悩み別人間関係の断捨離の仕方【お悩み②ママ友づきあい】
子どもはすでに卒園したにもかかわらず、クラスが同じだったママたちのLINEグループがあり、いまだにランチや飲み会のお誘いがきます。園にいた頃なら無理してもつきあっていましたが、今は縛られてる感が強くて…。子どものためにそのグループに入り続けたほうがいいのか、悩んでいます。(東京都・パート・39歳)
これまで得たメリットを書き出しておつきあいの必要性をチェック
「まずは、これまでのママ友づきあいで得たものを書き出してみて。思ったよりメリットが多くないのであれば、無理につきあいを続ける必要はありません。LINEだけは続けるという場合も、これまでのように素早く反応していると縛られ感からは解放されません。「じつはちょっと不器用」「とろくてすぐに反応するのが苦手」というキャラ変をして、既読のタイミングを遅らせていきましょう。角を立てずに自分のペースに持ち込めます」(水島先生)
悩み別人間関係の断捨離の仕方【お悩み③SNSづきあい】
最近は時間があればスマホを手にとり、他人のSNSに「いいね」をすることに費やしています。他人に「いいね」をすることで自分の「いいね」の数も増えるので、むなしいと思いつつもやめられません。また、たまたま「いいね」をしなかったとき、「最近いいねをしてくれない」と責められたことも。自然にやめられたらいいな~と思いつつ、毎日スマホを押し続ける自分がいます。(神奈川県・専業主婦・36歳)
数にこだわり始めたら、「いいね」にかわる満足を探す努力を!
「『いいね』をもらうことに満足感を感じるようになると、つねに数を増やすための努力をしていなければならない依存状態に。『いいね』にかわる満足を見つける必要があります。おすすめなのは、少額の寄付や募金、駅で目の不自由な人を誘導するなど、匿名・無条件で人に何かを与える行為。何も返ってこないけれど、誰かのためになって、いいことをした自分を好きになれる。『いいね』を追いかけることも少なくなるでしょう」(水島先生)
日頃ムダだと感じている人間関係の断捨離方法を学び、すっきりさせましょう!
【教えてくれたのは】
水島広子先生
精神科医。対人関係療法専門クリニック院長。日本の対人関係療法の第一人者として、講演やメディア出演など幅広く活躍。『女子の人間関係』(サンクチュアリ出版)など著書も多数。www.hirokom.org
イラスト/しおたまこ 取材・文/坂本洋子
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