いちじくは不老長寿ってほんと!?
【いちじくは世界最古のフルーツ!?】
いちじくはアラビア地方原産の、大変歴史の古い食べ物。紀元前5世紀以前からあったとされ、世界最古のフルーツともいわれています。旧約聖書にも登場し、アダムとイヴが最初に腰のあたりにつけたのも、いちじくの葉。日本には江戸時代に渡ってきたとされ、庭木としても親しまれてきました。これほど長い間、人類が食べ続けてきたいちじく。体にいい証拠ともいえるでしょう。
【いちじくは「不老長寿の果物」!?】
いちじくは、栄養がとても豊富で、日本でも生産量が拡大するまでは、薬用として栽培されていました。その薬効の高さから、古くは「不老長寿の果物」といわれていたほど。現在でも、実を乾燥させたものは、生薬として用いられています。
【食べている部分は実は花!?】
漢字で「無花果」と書くいちじくですが、花がないわけではありません。じつは、私たちが食べているのが、花托(花弁やめしべがつく部分)が肥大したものなんです。
いちじくを割ったときに、中に見える無数のつぶつぶが花の部分。この花によって、いちじく特有の、プチプチした食感が生み出されています。
いちじくの栄養と効能
■ペクチン
食物繊維の一つ。腸内環境を整える働きがあり、便秘、下痢の解消、改善に効果的です。また、血糖値の急激な上昇を抑え、コレステロール値の上昇を抑制する働きもあります。
■カリウム
体内の余分な塩分を排出し、むくみの解消や、高血圧対策に効果が期待されます。
■アントシアニン
ポリフェノール の一種で、老化の原因となる活性酸素を除去する作用があり、アンチエイジング効果が期待されます。
■植物性エストロゲン
女性ホルモンと似た働きをし、ホルモンバランスを整えて、月経前症候群(PMS)や更年期障害を緩和する効果が期待されます。美肌、美容にもよいとされます。
■フィシン
タンパク質分解酵素の一種。肉や魚などを食べたさいに、タンパク質の消化を助けます。また、胃もたれや二日酔いを防ぐ働きが期待されます。
■アミラーゼ
脂質や炭水化物の消化を促します。ダイエット効果も期待されます。
■ザクロエラグ酸
ポリフェノール の一種で、シミやシワを予防するなど美容の手助けになります。
■鉄
貧血の予防や改善、冷え性にも効果が期待されます。
■カルシウム
骨や歯を守ったり、強化したりします。いちじくは、フルーツの中では比較的多くカルシウムを含みます。
いちじくは食べ過ぎるとダメ!?
いちじくにはさまざまな栄養があります。ただし食べ過ぎるとよくないので、注意しましょう。旬の時期や、生と干しいちじくの栄養の比較などについて紹介。
【いちじくの旬の時期って?】
いちじくの旬は、7月の終わりから10月頃まで。生のいちじくは、旬の間しか手に入りませんが、干しいちじくなら、年間を通して食べられます。
【「生」と「干し」の栄養比較!】
干しいちじくは、乾燥によって栄養が濃縮され、カリウム、カルシウム、食物繊維が多くなります。しかし同時に、生のいちじくより、同重量あたりの糖質やカロリーも増えます。100gあたりのカロリーは、生いちじくが54Kcal、干しいちじくは292Kcal。
干しいちじくは栄養価が高いうえ、手軽に食べられますが、カロリーオーバーになりやすいので、食べ過ぎには注意が必要です。
【食べ過ぎるとお腹がゆるくなることも】
また、いちじくには水溶性の食物繊維が含まれているので、適度に食べると便秘の解消に効果的ですが、食べ過ぎるとお腹がゆるくなってしまうこともあります。適量を食べるようにしましょう。
1日に食べる目安は、生のものだと、よく熟したものを1日に2〜3個、干したものだと3〜4個を目安にするとよいでしょう。
栄養を効果的に摂取するおすすめの食べ方
【ヨーグルトやチーズと一緒に】
ヨーグルトと一緒に食べると、ヨーグルトの乳酸菌による便秘解消効果が高まります。また、チーズなどと一緒に食べると、いちじくに含まれるフィシンがタンパク質を分解して体への吸収を高め、代謝アップにもつながります。
【皮ごと調理してポリフェノールを摂取】
いちじくの皮にはポリフェノールが豊富に含まれるので、調理するさいは、皮ごと煮るなどすると、ポリフェノールを多く摂取できます。
【ジャムで食べても】
市販のジャムで栄養をとっても効果的です。ただし、糖分が多いので食べ過ぎには注意しましょう。
いちじくの健康効果、美容効果は、本当にすごいんです。これは食べなきゃもったいない!
いちじくを食べる機会は昔よりも減ってきているように感じますが、これを機会に、いちじくを見かけたら、ぜひ手に取ってみてはいかがですか?
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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