自分の「新奇探索性」を自覚して自分を大切にして生きる【脳科学者に聞いた!vol.82】

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 自分の「新奇探索性」を自覚して自分を大切にして生きる【脳科学者に聞いた!vol.82】

2019.12.03

自分の気持ちより、必要以上に社会の常識やルールなどに従ってしまう人、いませんか? もっと自分を大切にして生きていくためのヒントをお教えします。

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自分の「新奇探索性」を自覚すれば、もっと自分を大切にして生きることができる

 生きている限り、社会の常識やルールを守らなければならない場面が必ずあります。でも、これらを必要以上にまじめに守っていると、自分らしく生きられないことにもなります。別の観点から見れば、常識やルールを重んじる人は「自分を大切にしていない人」といえるかもしれないし、いつも上司や教師に従ってしまう人は、「自分がない人」ともいえるのかもしれません。
 このような人は、専門的には「新奇探索性(しんきたんさくせい)」が弱いといいます。「新奇探索性」とは、新しいものごとを知ることによろこびを感じる性質のことで、これが生まれつき強い人と、弱い人は遺伝的に決まっています。
 日常に即していうと、たとえば新商品が出たり、新しい店がオープンしたりすると、つい買ったり行ったりしてみたくなる人は「新奇探索性」が強いといえます。かたや、いつも買うものが決まっていて、同じ店ばかり行く人はこの性質が弱い傾向にあります。そして、「新奇探索性」が弱い人は、自分の思いよりも社会の常識やルールに従いやすい面があるのです。
 こうした傾向は遺伝的に決まっているため、それ自体を自分の力で変えることはできません。ただし、自らの意志で「行動」を変えていくことはできます。
 たとえば、なにか新しいものを目にしたときに、自分の「新奇探索性」が弱いことを自覚して、「ああ、いつもの自分ならこの店には入らないだろうけど、ランチくらいならいいかな」と、行動を変えていくことはできるはず。
 そして、そんな行動を積み重ねていくことで、少しずつ、自分の気持ちを大切にして生きることができるようになっていくでしょう。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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