どうして人間は傷つくの? 他人の言動に惑わされない方法【脳科学者に聞いた!vol.92】

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 どうして人間は傷つくの? 他人の言動に惑わされない方法【脳科学者に聞いた!vol.92】

2020.01.26

人間は、他人の言動に傷ついたり、自分に対して否定的な考えを持ったりしてしまうことがあります。でも、ある心がけで、それらを克服できるかもしれません。

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人間は成人するまでに、14万8000回もの否定的な言葉を聞かされる

 自分に対して否定的な考えを持つことをやめるのは大切ですが、これはいうは易く行うは難し。なぜなら、ある学者の論文によれば、人間は成人するまでに14万8000回もの否定的な言葉を聞かされるという話もあるほどだからです。
 つまり、長年にわたって外部から「刷り込まれてきた」否定的な態度や考え方は、いつのまにか自分の確固たる信念として認知されている場合があり、それを突然変えることは難しいのです。
 でも、あきらめることはありません。なぜなら人間には、「自分の自己イメージに合致することにしか同意しない」という性質もあるからです。どういうことでしょうか?
 たとえば、「君は性格が暗いね」といわれたとしましょう。このとき、自分でふだんからそう思っているなら「やっぱり......」と傷ついてしまいます。でも、それに対してなんのコンプレックスもなければどうでしょう。
「そう? 君より友だちは多いけど」
「明るいだけのあなたよりも仕事はできるよ」
 そう思って、まったく意に介することはないはずです。つまり、人は誰かの言葉そのものよりも、その言葉を自分で肯定し、自分へのネガティブな評価を追認してしまうことで傷つくわけです。
 逆にいえば、自分のポジティブな面をつねに意識することで、他人の言動に惑わされることなく、人は変わっていけるということになる。最初は難しいかもしれませんが、自分に肯定的な「ふり」を続けるだけでも少しずつ変わっていきます。
 他人を変えることはなかなか難しいので、やはり勇気を持って、自分で自分を肯定していくしかないのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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