「運を良くする」ために知っておきたい!人生は不公平なのがふつう?【脳科学者に聞いた!vol.113】

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 「運を良くする」ために知っておきたい!人生は不公平なのがふつう?【脳科学者に聞いた!vol.113】

2020.02.22

いろいろなことを「運まかせ」にせず、脳の状態を「整える」ことで、どんな人でも「運を良くしていく」ことができるといいます。そのためにまず、幸運な出来事と不運な出来事は、誰にでも平等に訪れるわけではないということを押さえておきましょう。

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人は「幸運な人」と、「不運な人」にわかれている

 運が良い出来事と悪い出来事は、誰にでも平等に訪れるもの。そんなふうに思っていませんか?
 これは確率の授業でも学ぶことで、理論上はたしかにそうです。わかりやすく、幸運と不運をコインの裏表が出る確率で考えると、「表(=幸運としてプラス1と計算)」が出る確率と「裏(=不運としてマイナス1と計算)」が出る確率はそれぞれ50%なので、コインを投げ続けると、一時的にどちらかに傾いても、最終的にはプラスマイナスゼロ近辺で調整されるはず。
 ただし、ここで注意すべきポイントがあります。それは、確率の計算では、あくまでコインを「永遠に」投げられるのが前提となっていることです。しかし、わたしたちの人生は有限です。コインを1万回しか投げられない人もいれば、10万回投げられる人もいるわけです。つまり、幸運か不運かのどちらかに傾いている状態で、人生が終わる場合があるということなのです。
 さらに確認しておきたいのは、表と裏が出る確率は試行のたびに50%ずつだということ。裏が続いたからといって、「そろそろ表が出る」とは限らず、前回の結果に左右されるわけではないのです。たとえば表が出続けても、裏が出続けても、まったくおかしいことではありません。
 このように考えると、運に対する考え方が変わってきませんか? 1回ごとの確率は50%で同じでも、限定された範囲(時間)においてとらえると、幸運か不運か、どちらかに偏るのがむしろふつうの状態なのです。
「人生の帳尻は合うようにできている」
 それもまた真実かもしれませんが、論理的に考えると、人生は不公平であることがふつうなのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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