親に最後まで「よく生きてほしい」なら。まずはここから
なんとなく親とお金の話ができるようになったら、いよいよ最終段階です。このとき、ぜひ使って欲しいのが「エンディングノート」。このノートは人生の終わりを記すものではありません。使い方次第で、親子の未来を楽しくするための素晴らしいツールになるんです!
エンディングノートって自分の最期をどうしたいかを書き留めておくものでは?「というイメージが強いので、親にノートを渡しても、まず書いてはもらえません(笑)」と言う、安田さん。ではどうしたらいいのでしょうか?「まずは、自分が書いてみることです。おすすめは、特に親に書いてもらいたい項目について、自分の書いたノートを見せながら親の気持ちを聞いてみること。うまく聞けたら、親の考えも一緒にノートに書いておく。いつでも訂正できるように、大きめの付箋に書いて貼っておくのもいいですね。子供から先に、自分の情報を開示すると親も心をオープンにしやすくなるので、知りたい情報がどんどんノートに蓄積されていきますよ」。
未来の楽しみを見つける
「実際に書いてみるとわかりますが、預貯金や介護の希望だけでなく、エンディングノートには、これからの人生でやりたいことなども書き込んでいきます。その情報から、親がやってみたいことを一緒に体験したり、自分の楽しみを親と共有したり。エンディングノートを書くことで、これからの親子の時間を有意義なものにすることができるんです」安田さん。
<エンディグノート 記入項目 一例>
◯これからの人生について
・これからの人生でやってみたいこと
・これからの続けたい楽しみや、好きなこと
◯家計状況、財産、負債について
◯財産管理方法について
◯介護や医療について
◯身の回りの処分について
◯相続や遺言について
それでもダメなときもある
十分にコミュニケーションを積み重ねたはずなのに、親から「お金の話はできない」と断られることもあるそう。「もしそうなっても、決して無理強いはしないでください。親をコントロールすることはできないし、してはいけません。そんなときは、親の気持ちを尊重し、自分の気持ちを伝えるだけで、止めておきましょう」と安田さん。そういう場合もあるということを知っておくだけで、なんだか気持ちが軽くなります。
教えてくれたのは
マネーセラピスト 安田まゆみさん
「元気が出るお金の相談所」所長。CFP®️認定者。一級ファイナンシャル・プランニング技能士。クライアントの人生に寄り添い、ライフプランに合わせたお金のトータルプランニングを行っている。読者へのメッセージ「普通の会社員だった私が、FPになったのは40歳を過ぎてから。やる気さえあれば、人は何歳からでもチャレンジできます!」
書籍紹介
いざとなったら…では遅すぎる! 親とお金の話はできていますか? 親や兄弟と早めにお金の話をすることは自分だけでなく家族の明るい未来のため。FPであり、心理カウンセリングの勉強もしてきた安田まゆみさんによるお金の面から「より良い人生を生きる」のための指南書です。
取材・文:池田ゆき
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