【専門家に聞いた】 イラッとしたら〇秒待つ!? イライラママにならずに済むアンガーマネジメント講座①

家族・人間関係

2019.04.24

なかなか言うことを聞いてくれない子どもにイライラ、家のことを手伝ってくれないダンナさんにイライラ…。でも、“毎回怒るたびに後悔してしまう”という方も多いのではないでしょうか。イライラママにならないためのとっておきの方法、「アンガーマネジメント」について紹介します。

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「アンガーマネジメント」とは?

「アンガーマネジメント」とは、1970年代にアメリカで誕生した“怒りの感情と上手に付き合う”ための心理トレーニング。海外では教育、企業、スポーツ会、司法など、たくさんの分野で活用されているそうです。2011年に設立された日本アンガーマネジメント協会では、“怒りの連鎖を断ち切ろう”を理念に、怒りの感情理解教育「アンガーマネジメント」を社会に浸透させていく活動を行っています。今回は、自身も2人の子どものママである日本アンガーマネジメント協会アンガーマネジメントファシリテーター小尻美奈さんに毎日の生活の中でイラッとしたときにどうすればいいかを聞いてきました。

イラッとしたときどうすればいいの?

「怒りという感情は、突然湧いてくるものではありません。暑くて不快、疲れた、第二次感情と言って、怒りを感じる前に他の感情(第一次感情)が存在しています。暑くて不快、疲れた、子どもが騒がしくて嫌、ダンナさんの帰りが遅くて悲しい…など、心のコップにネガティブ感情をためこみ、何かのキッカケで溢れ出てしまうのが怒りなんです」と小尻さん。イライラが爆発すると、物にあたったり一番身近な家族に怒鳴ったりしがちですが、怒りにまかせた行動は、後で悔やむ結果につながることが多いそう。「イラっとしたら、6秒待ってみましょう。怒りは6秒待つとだんだん小さくなると言われていて、冷静な判断や適切な行動をとれるようになります」とのこと。“そんなに待てない!“と思われた方のために、その6秒間を上手にやりすごす方法を教えてもらいました。

対処法①心の中で怒りレベルを数値化する

イラっとしたら、ひとまず心の中で今の怒りレベルを10段階で数値化してみましょう。温度計などをイメージしてみるといいですよ」と小尻さん。レベルの度合いを伺うと「レベル10は人生最大の怒り。7~9は強い怒り、4~6は中くらいの怒り、1~3は弱い怒り、くらいで考えるといいですよ。瞬間的にイラッとしても、今の怒りはどのレベルかな…と考えているうちに6秒過ぎて、思いのほか冷静に対応できるようになります」とのこと。怒りレベルを数値化する…、確かに数値にしてみるとその瞬間は怒りMAX状態でも「そこまで怒る必要がないかも…」と、自分の怒りに対して客観的になることができそうですね。

対処法②体を動かして気持ちをそらす

私がよく紹介しているのは、両手をグーパー、グーパーとにぎったり開いたり繰り返すこと。シンプルな動きなのでおすすめです。あとは軽くジャンプしてみるのもいいですよ。体を動かすことで攻撃的なエネルギーを発散できますし、筋肉の緊張が緩んでリラックスでき、高まった怒りもクールダウンするのです」と小尻さん。ただし、物に当たったりするのはNGとのこと。「たとえば壁を殴ったり、ドアを蹴ったりするとその瞬間はスッキリするかもしれませんが、脳にそのスッキリ感が記憶されて、怒りを感じるたびに同じような行動をしてしまうようになるんです。その欲求を満たすために物を壊す行為がだんだんエスカレートしていくので、物に当たりそうになっても体を動かしてその気持ちをうまくそらしてください」。

対処法③いったんその場を離れる

トイレに閉じこもる、ベランダに出るなど、イラっときた相手からいったん離れることで、必要以上に強い怒りをぶつけることを避けることができます。この方法をタイムアウトと言います」と小尻さん。ただし、タイムアウトを実践するときは気をつけなければいけないポイントがあるそう。「いきなりママが消えたら、子どもは不安になったり、寂しくなったりしますよね。夫婦喧嘩にも効果的ですが、何も言わずにいなくなったら“逃げた!”と思われ、ダンナさんが逆上することも…。タイムアウトするときは、必ず一言“ちょっとトイレに行くね”とか“冷静になりたいから、待ってて”など、相手に伝えることが大切です」。

対処法④深呼吸してみる

怒りを感じていると、私たちの体は全身に力が入り呼吸が浅くなってくるんです。そんな体の変化に気づいたときは、まず深呼吸。鼻から大きく4秒かけて息を吸ったらいったん止めて、口からゆっくり6秒かけて吐き出しましょう。吐くときは、怒りを全て吐き出すイメージで行うとモヤモヤした気持ちが消えていきますよ」と小尻さん。深呼吸することで副交感神経の働きが高まって、体がリラックする効果もあるそうです。いつでもどこでもできる深呼吸は、誰でもすぐにできる怒り回避の方法ですね。

イラッとしたら、6秒待つ…。難しいようですが、教えてもらった方法はどれもすぐに実践できそうなものばかり。自分が取り入れやすい方法を見つけて、ぜひ実践していきましょう。

取材・文/五十嵐由紀

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