厚着&暖房の効いた部屋で「汗をかきやすい」
「カラダのニオイが原因で、知らず知らずのうちに周囲に不快感を与えてしまう、スメルハラスメント。冬の厚着も落とし穴ですよ!」と警鐘を鳴らすのは、多くの患者さんのニオイ相談に答えてきた上田弥生先生。
冬は、洗濯回数の少ないコートやニットを着ることが多く、暖房の効いた屋内と寒い屋外の温度差で、汗をかきやすい状況にもなりがち。また、人気のあったか下着も、かいた汗が乾きにくいため、ニオイがこもりやすい傾向にあるといいます。
4大悪臭【頭、口臭、脇、足】対策! ①「頭」編
オイルマッサージで皮脂と汗を“オイ(ル)出せ”!
【原因と予防策】
頭のニオイは、頭皮の毛穴から出る皮脂と汗を、細菌が分解することで発生します。必要な皮脂を残して余分な皮脂を落とすには、オイルマッサージが効果的。オリーブオイルやホホバオイル、椿油、頭皮クレンジング剤を使い、乾いた状態で頭皮全体にオイルをつけ、円を描くように指の腹でマッサージ。お湯でしっかりオイルを流した後にシャンプーを。
【応急処置】
・髪をぬらさずできるドライシャンプーで皮脂と汗を除去
・とりあえず帽子をかぶってニオイを封じ込める
・手元に何もないときは人の風下に立ち、
ニオイが風にのって流れるのを防ぐ(屋外に限る)
4大悪臭【頭、口臭、脇、足】対策! ②「口臭」編
歯磨きと舌苔(ぜったい)取りが“絶対に”効いてきます
【原因と予防策】
原因は、①歯垢やむし歯、歯周病、②舌に付着する白いコケ状のカス・舌苔、③タバコ、お酒などの嗜好品と消化不良の大きく3つ。どの場合も、歯磨きと舌苔取り、デンタルフロスが有効です。舌苔は、専門ケアグッズか綿棒などで舌をやさしくこすって取りましょう。それでもニオう場合は、病気のサインの場合もあるので医療機関へ。
【応急処置】
・紅茶でお口クチュクチュ。ポリフェノール効果で消臭
・マウスウォッシュやマウススプレーで菌の繁殖を抑える
・ミントタブレットやエチケットガムを口に入れる
・酸っぱいものを食べて唾液を出す
・寝起きは白湯でうがいをして、菌を洗い流す
4大悪臭【頭、口臭、脇、足】対策! ③「脇」編
お風呂上がりと朝のケアで“脇を固める”!
【原因と予防策】
じつは、汗自体はほぼ無臭。ただし、汗をかいて放置すると、常在菌が汗と皮脂を食べて、ニオイを放つ脂肪酸をつくり出します。そこで、菌が減っているお風呂上がりとお出かけ前に、デオドラント製剤で菌や汗・皮脂からブロックできる環境づくりを。汗と皮脂がからんでニオイを拡散する原因となる脇毛は、冬でもそっておきましょう。
【応急処置】
・デオドラントシート(なければウェットティッシュ)で拭く
・デオドラントスプレーを吹きかける
・汗がしみた洋服に抗菌スプレーを吹きかける
4大悪臭【頭、口臭、脇、足】対策! ③「足」編
入浴中に爪の際をこするとニオイが“フッと”消えていく
【原因と予防策】
日にコップ1杯分の汗をかく足は、指の間の汗や、爪と皮膚の間のアカがたまりやすく、これらがニオイの原因に。汗対策でおすすめなのが、通気性と吸汗性がよい5本指ソックス。そしてアカ対策は、入浴中にブラシでこするのが効果的。湯船に10分足をつけてアカをふやかし、爪ブラシかやわらかめの歯ブラシでこすり取りましょう。
【応急処置】
・靴下をはきかえて、しみついたニオイをリセット
・デオドラントシート(なければウェットティッシュ)で拭く
・デオドラントスプレーを吹きかける
冬だから大丈夫と油断せずに、今日から“スメらない対策”を!
日々の予防策はもちろん、今すぐ効く応急処置法も覚えておくと便利ですよ。
【教えてくれたのは】
上田弥生先生
産婦人科専門医。関東のクリニックで、産婦人科診療のほか、ワキガ・多汗症の治療に携わる。著書に『オトナ女子のための スメらない手帖』(主婦の友社)。
イラスト/moko. 取材・文/鹿志村杏子
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