動きがスマートで殺陣がキマる！こんな松坂桃李は見たことがない！映画『居眠り磐音』

突然、愛を失ってしまう…磐音の運命

心優しく温厚な坂崎磐音（松坂桃李）は、親友の琴平（柄本佑）の妹・奈緒（芳根京子）との結婚も決まり、幸せな毎日でした。しかし、友人夫婦の不貞事件に巻き込まれ、磐音は奈緒の家族を斬ってしまいます。

状況から致し方ないことでしたが、責任を感じた磐音は「もう奈緒との結婚は許されないことだ」と、彼女のもとから去ってしまうのです。

幸福そうな磐音の笑顔が突然失われてしまう冒頭の展開には驚きです！　松坂さんの見事な殺陣を見ることができるものの、大切な人を失うきっかけとなる展開ゆえに、見ていて気が気じゃありませんでした。笑顔から絶望へと次第に変化していく松坂さんの表情に注目です。

その後、江戸に出た磐音は剣の達人として、両替屋の用心棒を任されます。磐音の剣術は「居眠り剣法」。まるで居眠りをする老猫のように見えたかと思うと、敵を一瞬のうちに斬り倒すのです。相手を油断させる手の一つなのかもしれませんが、まさに瞬殺！　

松坂さんの時代劇アクションは新鮮で、殺陣のシーンは永遠に見ていたいと思うほどかっこいいです。

奈緒の元から去っても彼女のことを忘れられない磐音。一方、奈緒は生活が苦しく、病の両親を抱えながら必死に生きていました。彼女は磐音を強く思っていましたが、家族との生活のためにある決心をします。

それを知った磐音が起こした行動、その後の展開は涙涙……。もうやるせないというか、こんな運命ありなの？と胸が痛くなります。

磐音は女性に対して強く出られない。グイグイと引っ張れない少し歯がゆいところがあり、そこが彼の弱みかも。でもそんな磐音の純朴さを松坂さんは実に魅力的に演じています。

松坂桃李さんにとって初の本格時代劇『居眠り磐音』。原作はシリーズ化されているので、映画も第二弾、第三弾と続くかも。まずは本作を見て、松坂さんが演じる磐音の魅力にハマってください。

『居眠り磐音』
(2019年5月17日公開)
監督：本木克英　原作：佐伯泰英「居眠り磐音　決定版」（文春文庫刊）
出演：松坂桃李、木村文乃、芳根京子、柄本佑、杉野遥亮、佐々木蔵之介、陣内孝則、谷原章介、中村梅雀、柄本明ほか
配給：松竹
(c)2019映画「居眠り磐音」製作委員会

文／斎藤香

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