「これはあの人の性格なんだ」その思い込みが依存症を見誤らせることになります
依存症の人が依存する対象には、大きく分けて次の3種類があります。
1 物質への依存(アルコール、薬物、食べ物など)
2 プロセスへの依存(ギャンブル、セックス、買い物、仕事など)
3 人間関係への依存(恋愛、宗教、親子関係など)
物質への依存は見た目にわかりやすいのですが、仕事への依存などは気づきにくく、「真面目に遅くまで働いているな」という評価をしがちです。
夫婦や恋人、親子といった間に依存関係が生まれれば、DVや虐待につながります。
DVを働いた夫が実家に帰った妻の元に向かい、「二度とやらないから戻ってくれ」と泣いてわび、またすぐに同じことを繰り返すのは、治療が必要な病気です。
それを性格的なことと捉え、「今度こそわかってくれるだろう」と期待するのはナンセンスです。依存症は、一般的に考えられているよりもはるかにやっかいなのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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