実は屋内がヤバい! 日常生活に潜む熱中症のリスク
野外でのスポーツ、屋外フェスやイベント参加時、公園や海・プールで遊んでいるときは、日よけ対策やこまめな水分補給などを意識的に行って、熱中症対策をする人は多いですよね。
健康総合企業の株式会社タニタが全国の15歳〜69歳の男女1000人に調査を行ったところ、「熱中症を意識するのはどんなとき?」という質問に対して、「スポーツ・運動時」は46.5%ともっとも高く、続いて「野外フェス・イベント参加時」が35.1%、「海やプールを含む屋外遊び時」が32.9%という回答でした。
一方で、「寝ているとき」は11.9%、「職場・学校にいるとき」は11.8%、「家事をしているとき」は10.4%、「入浴中」は10.4%という回答でとても低いもの。
この結果は実は、日常生活で熱中症をひきおこしてしまう危険性を示すものです! なぜなら、消防庁の発表によると、熱中症の40%は住居内で、18%は仕事場や学校といった日常の中で発生しているからなのです※。
夢中で家事や仕事をしている間に、自覚がないままに熱中症を引き起こすことはとても危険ですよね。屋内だからつい油断してしまいますが、熱中症を起こさないためには気温だけでなく”湿度”も意識することがとても大切なのです。
※消防庁『平成30年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況』より。
湿度に注意! 気温が高くなくても熱中症は起きる
30度を超える猛暑になると、「熱中症に気をつけなくては」と気を引き締めるものです。実際の調査でも(タニタ調べ)、熱中症にならないために気にしていることを聞いたところ、「気温」と答えた人がもっとも多く全体の67.3%でした。続いて「天気(晴れ・曇り・雨など)」が59.5%、「日差し」が41.5%、「湿度」が36.8%、「輻射熱(地面や壁からの照り返し)」が10.9%という結果でした。
ところが、熱中症は気温が高くなくても湿度が高い場合に多く発生しているのです。そこで目安にしたいのが、気温・湿度・輻射熱を取り入れた指標で、熱中症発症の危険度がわかる暑さ指数(WBGT)です。こちらの指数を熱中症対策のために気にしている人は、調査では全体の4.7%にとどまりましたが皆さんはご存知でしたか? WBGTは環境省熱中症予防情報サイトで確認することができます。今後は気温だけではなく、この数値に着目したいですね。
自覚がない人を含んだら約8割の人が熱中症経験者!
熱中症になったことがある人はどのくらいいるでしょうか。お年寄りや小さな子ども以外であまりそういった経験を聞くことは少ないですよね。タニタが1000人の回答者に行った調査によると、「熱中症の経験がある」と自覚する人は全体の22%でした。
一方で、同じ1000人に暑さによって引き起こされた体の不調で自覚したことがある項目を選んでもらうと、「めまい・立ちくらみ」が45.5%、「体のだるさ」が31.9%、「喉の異常の渇き」が26.7%という結果に。そう、これらの症状は熱中症の症状かそれに近い症状なのです! 身に覚えのある人も多い症状なのではないでしょうか。
このように何らかの不調を自覚したことがある割合は全体の77%にもなり、「熱中症になったことがある」と自覚している人の割合を大きく超えるという驚きの結果に。
まずは熱中症の初期症状が「めまい・立ちくらみ」「体のだるさ」「顔のほてり」であることをしっかりと自覚し、家族に伝えることが大切です。すこしでもこれらの症状を自覚したら、座る、水分補給をする、涼しい場所に行く、周りに不調を訴えるといったすみやかな処置をすることもあわせて伝えておきましょう。
「気温が高いから」「日差しが強そうだから」「屋外に長時間にいるから」…。熱中症への危機意識が高まるのは、このような要素がきっかけという人も多いとは思いますが、室内であっても、また気温が低くても、湿気など他の要因で発症リスクが高まるということを頭に入れておきましょう。
また暑さ指数 (WBGT)の確認を朝の習慣にして、家族に声かけしていくのも大切ですね。
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