この世のほとんどの人たちが、正しいかどうかの判断に「美醜」を持ち込んでいます
5歳の男の子に、いわゆる美人の女性とそうではない女性の意見を聞かせ、「どちらのお姉さんの言っていることが正しいと思うか?」と聞くと、8割が美人の言っていることのほうを正しいと答えることがわかっています。
彼らは、意見の内容を吟味しているわけではなく、単純に美醜で判断しているのです。
大人になれば、「そんなことではいけない」「自分はそうではない」と口では言うものの、人の意見に賛同するか否定するかの判断をするときに、美醜は一定の基準になっています。
男女をひっくり返しても同じで、ハンサムの言うことは正しいと考えられがちなのです。
これは仕方のないことで、実は、脳の中の「美しさ」を扱う領域と「正しさ」を扱う領域は、とても近くにあるために混同しやすいのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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