「妊娠」と「歯周病」の関係
女性は生理、妊娠、閉経と、女性ホルモンのバランスが崩れる時期があります。ホルモンバランスが崩れると、むくみやイライラや肌荒れなどさまざまな体調の変化や、精神状態、肌の変化を訴えます。
お口の中も皮膚と同じように口の渇きや、ネバネバ感が出ます。特に、妊娠中においては、女性ホルモンの分泌がたくさん出るため、こういった症状も強くなりがち。そのため、お口の中が汚れ、細菌が増えて歯肉が腫れやすいです。
妊娠中の女性ホルモンは、通常の10~30倍程度出ます。このホルモンの量が妊娠中の9か月間、出続けることで妊娠性歯肉炎を引き起こします。特に女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)が歯肉に集り、炎症を強めます。
だからと言って、妊娠そのものが歯周病を引き起こしているではなく、プラーク中の細菌によって引き起こされた歯周病をさらに悪くさせるのです。
妊娠期によく起こる妊娠性歯肉炎は通常妊娠2~3か月目に目立ちはじめ、8か月目でもっとも重篤(病状が非常に重いこと)な状態になります。そして9か月目になるとホルモンの減少とともに少しずつ炎症も軽くなります。出産後1年までに歯肉は妊娠前の状態に戻ることが一般的です。
最近、歯周病の全身への関わりがわかってきました。これは歯周病による炎症が血管を介して体全体に広がるために起こると言われています。
特に妊娠している女性が歯周病にかかっている場合、低体重児および早産のリスクが高くなることが言われています。アルコールやタバコ、高齢出産に比べ約7倍のリスクです。
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