いまの自分がイメージできる「身近な目標」を立てると、最終的な目標達成の可能性が高まる
最終的に定めた目標を達成するためには、つねにその目標を心に描いて進むことが大切です。
でも当然ながら、それだけでは目標達成には近づくものの、戦略として盤石とはいえません。なぜなら、脳という臓器はエネルギーをたくさん使うため、すぐに怠(なま)けて、エネルギーを節約しようとするからです。
また、「痩(や)せる」「合格する」といった遠くにある抽象的な目標では、さらに実現が難しくなります。そこにいたるまでに存在する、さまざまな障害や誘惑を乗り越えるだけのやる気を保ちにくいのです。
そこでわたしがおすすめしたいのが、イメージしやすい「身近な目標」を立てること。たとえば、痩せるまでの過程には必ず体重を量るプロセスがあるので、「毎日体重を記録する」という目標を立てるのです。受験や資格取得なら、合格という最終目標だけではなく、少しずつ「偏差値やスコアを積み上げていく」ことが目標になります。
すると、努力の結果がつねに目に見えるようになり、やる気が落ちづらく、脳に心地良い刺激を与えながら続けていくことができます。うまくいけば、ほんの少しでも結果が出続けることが楽しくなって、中毒みたいにハマることも。こうなればしめたもので、最終的な目標に着実に近づいていくことができるでしょう。
あまり高過ぎる目標を立てるのではなく、いまの自分がイメージできる「身近な目標」をメルクマール(指標)にして、継続することを意識しましょう。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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