やる気を出すには「生活習慣の改善」こそが必要!?【脳科学者に聞いた!vol.90】

ライフスタイル

2020.01.24

「さまざまな工夫をしても、どうしてもやる気が出ない」なんてとき、ありませんか? その原因は、意外なところにあるかもしれません。 

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あなたのやる気が出ないのは、セロトニンが不足しているからかもしれない

 集中力を乱さないような方法を導入しても、どうしてもやる気が出ないときはあるはず。それはもしかしたら、脳の神経伝達物質「セロトニン」が不足しているのかもしれません。セロトニンには神経のバランスを整える働きがあり、不足するとやる気がなくなったり、ひどい場合はうつ状態になったりすることもあります。
 セロトニンを合成するためには、必須アミノ酸である「トリプトファン」を摂ることが必要です。ただし、必須アミノ酸は体内で合成できないため、食物から摂取するしかありません。トリプトファンが多く含まれるのは、カツオ、レバー、チーズなどの高タンパク質食材。また、落花生、ごま、ほうれん草などにも多く含まれています。
 ただし、ここでも注意点が。それは、アミノ酸が筋肉に取り込まれるためには炭水化物が必要だということ。つまり、糖質などを制限するダイエットをしていると、そもそも体内に吸収されないのです。
 ほかには、メカニズムはまだ解明されていませんが、セロトニンの分泌(ぶんぴつ)には、「リラックスできて心地良い」と感じることが必要だともされています。たとえば、お風呂にゆっくりと浸かったり、ウォーキングをしたり、もちろん早寝早起きの規則的な生活をすることも効果的です。
 いずれにせよ、むかしからいわれるように、日ごろからバランスの良い食事を心がけ、適度な運動をし、ゆったりリラックスすることが、やる気や集中力の向上につながります。
 そうした生活習慣を整えることからも、集中力はコントロールすることができるのです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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