他人の不幸を願っていると、記憶力が衰える!?その理由とは!?【脳科学者に聞いた!vol.97】

ライフスタイル

2020.02.01

他人の不幸を願っていると、自分自身に、ある悪いことがふりかかってくるといいます。それは一体…!?





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他人の不幸を願っていると、記憶を貯蔵する「海馬」が萎縮する

「ずるい」「うらやましい」という嫉妬の感情が増していくと、他人の不幸を強く願うようになっていきます。
 このことが恐ろしいのは、自分では意識していないつもりでも、知らぬ間に他人の不幸を願うようになってしまうこと。他人に対して「負ければいいのに」「失敗すればいいのに」と思うことが思考のクセになり、またそのような人間になっていくということです。
 脳の「内側前頭前野(ないそくぜんとうぜんや)」という部分では、人の感情に対して「評価」を行っています。そして、脳が「これは悪い思いだ」と判断したとき、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。
 コルチゾール自体は、糖やタンパク質の代謝や血圧をコントロールする、生体にとって欠かせないホルモンです。ただ、コルチゾールが分泌され過ぎると、新しい記憶を貯蔵する役割を担う「海馬(かいば)」という部分が萎縮(いしゅく)することが、研究であきらかになりました。
 つまり、他人の不幸を願っていると、記憶力が衰えていき、脳や心身に悪い影響をおよぼすということ。どれだけ他人の不幸を願ったとしても、自分にだけ悪い結果がやってくるというわけです。

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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。

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