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時代とともに変わる差別表現 LGBT表現が逆に差別になる!? #失礼な日本語

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 時代とともに変わる差別表現 LGBT表現が逆に差別になる!? #失礼な日本語

2020.06.06

言葉は日々変化しているもの。だから、何気なく使っている日本語も、いつの間にか相手に不快感を与えてしまうワードになっていた、なんてことも。そこで、『失礼な日本語』の著者である岩佐義樹さんに、saitaPULSの読者がつい使ってしまいがちな「不快な日本語」を教えていただきました。

オタクはいつの間にかカルチャーに

ここ数年「LGBT」という言葉がメディアに浸透し、マイノリティの人たちを表現する、さまざまな言葉が登場&変化してきました。例えば「おたく」。
「当初はあまりイメージの良くない言葉でしたが、90年代以降は、サブカルチャーとして肯定的な意味で積極性を帯びて使うようになり『ヲタ』『ヲタク』として使うこともあります」(岩佐さん)

このような言葉は、使うだけで人を傷つけてしまうこともあるので、使用するときはとてもセンシティブになります。しかし、実生活では、差別用語ではない言葉が、差別用語として取り扱われるなんてことも!

ボーイズラブは禁断!?

ある社のツイッターで「禁断のボーイズラブ」などの表現は不適切でした、というお詫びがありました。「『禁断』は文字通り『ある行為をさしとめること』と『広辞苑』(第7版)にあるように、強い禁止が前提です。ですが、台湾で同性婚が実現したように、同性カップルはもう『禁断』ではなく『当たり前』になっていたようです」(岩佐さん)
「禁断」という言葉自体に問題はありませんが、何を「禁断」にするかで、たちまち差別用語になってしまうとは……。

LGBTでひとくくりにしない!

21世紀になって急に取り上げられるようになった「LGBT」とうい言葉。一般的には、レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略で「性的少数者」の意味として広まっています。ですが、同時に「LGBT」は「性的少数者」とイコールではない、という声も上がっています。
「LGBT以外にも、性的少数者はいるので『LGBT』とひとくくりに表現してしまうと、あまりにも多様な性の形があることが、見失われるのではないかと危惧しています」(岩佐さん)

新しい言葉は、その意味が定着するまで、意に反して人を傷つけてしまうことも。どんなときも、私たちは、相手に寄り添う気持ちを忘れず、立場が異なる人々への理解と配慮を忘れないようにしたいですね。

「教えてくれたのは」 毎日新聞社校閲センター前部長 岩佐義樹さん

1963年、広島県呉市生まれ。早稲田大学第1文学部卒業後、毎日新聞社に校閲記者として入社。用語委員会用語幹事などを務める、日本語のスペシャリスト。毎日新聞校閲センター運営のウェブサイト「毎日ことば」や「サンデー毎日」の連載コラム「校閲至極」などにて執筆中。

『失礼な日本語』
著/岩佐 義樹
ポプラ社
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TEXT:池田ゆき

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