予防接種は延期しないで極力受診して!
新型コロナウイルスの感染者がゼロではない状況で病院に行くことは、誰でも不安になりますね。特に幼い赤ちゃんの予防接種で、リスクのある病院に連れて行くのは不安なため、事態が収束してから接種しようと考えるママもいるかもしれません。でもちょっと待って! 佐久総合病院の小児科医である坂本先生は、このように話しています。
『予防接種は延期しないで極力受診してほしいと思います。予防接種がカバーする病気はたくさんあります。その病気は、かかると命に関わる重い後遺症が残る病気が多いのです。適切な時期にワクチンを接種することで、その病気にかかるリスクを減らすことができます。』
赤ちゃんが生まれたら、生後2ヵ月頃から受ける予防接種。現在無料で受けられる定期接種ワクチンはかなりの数がありますね。もう一度確認しておきましょう。
『定期接種ワクチンは、1歳までに必要なワクチンがロタウイルスを除く13本。2020年の10月からこのロタウイルスが定期接種になります。そうしますとプラス2本もしくは3本になります。
1歳になると麻しん風疹などのMRワクチンも含めてさらに6本が追加になります。
これら13本や6本の予防接種は1本ずつ打っていくわけではなくて、同時接種といって一回の受診で何本か摂取することができるのですが、それでも5〜7回の受診が必要になります。』
ワクチンの効果を知ることが大事
同時接種ができるとしても、5〜7回も病院を受診しなくてはいけないとのこと。病院で他のウイルスに感染する可能性を考えると、子どもに予防接種を受けさせることをためらってしまうかもしれませんね。でもワクチンの効果を知ることで、その大切さが分かるかもしれません。
動画には、坂本先生が作成された資料が紹介されています。
ジフテリアやヒブ、麻しん、風疹、おたふくかぜなどについて最近のデータを見ると、ワクチンがない時代に比べて99%の減少率、百日咳や破傷風、水痘などについても9割以上の減少率となっています。肺炎球菌やB型肝炎、ロタウイルスなども、ワクチンを接種することでそれぞれ89%、68%、51%の減少率になっています。
『これらはワクチンの効果があるということを示しているため、ワクチンはとても大事なものですのでぜひ予防接種を受けることが大事です。』
アメリカではどんな対応を取っているの?
ここで海外の事例も見てみましょう。新型コロナウイルスによる感染爆発が起きたアメリカでは、子どもの予防接種についてどのような対応が取られているのでしょうか?
坂本先生によると、アメリカでは「小児予防接種を含む新生児や健常児のケアを確実に行うための戦略」として、
「コロナウイルス感染症に関する個人、診療所、地域社会の事情ですべての患者に予防接種を含めた健診業務を行えない場合には、新生児ケアと乳幼児(生後24ヶ月まで)の予防接種を優先することを推奨」
としているそうです。
『感染爆発が起きていても生後24ヶ月(生後2歳まで)までの乳幼児の予防接種が最優先だとされています。病気を予防してくれるワクチンの予防接種は、こういう状況であっても延期しないようにしましょう。』
受診の工夫で感染リスクを下げよう!
予防接種の大切さについて坂本先生にお話を伺ってきました。予防接種の大切さはよく分かりましたが、受診の際にはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか?
『密を避けることです。例えば兄弟や祖父母の同伴を避けて、受診するときはなるべく最低限の人数で行く。兄弟がいると待ち時間に走り回ったり、感染したり、広めてしまったりするリスクもあるかもしれません。
また新型コロナウイルスでは高齢の方ほど重症化のリスクが高いと言われています。ですので祖父母の同伴を避けることも有効かなと思います。
自治体によってはそれまで集団接種だったものを個別接種に切り替えたり、そういった工夫もあるかもしれません。』
詳しくは、佐久総合病院の小児科チャンネルを確認
子どもに関する情報は、出どころが明らかな正しい情報を得たいもの。ここでご紹介したお話しは、佐久総合病院の小児科チャンネルで詳しく紹介されています。
病院に行くことを躊躇するこの時期でも、子どもの予防接種は延期せずに必ず受けることが大切です。受診するときは、祖父母には付き添ってもらわず、なるべくママと予防接種を受ける子どもで行くのが良さそうですね。
※佐久医療センター小児科 坂本昌彦医師に許可、文言の確認を取って掲載させていただきました。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。