無理して人に合わせない!でもそれで私は生きていける?
幼い頃からの環境や立場から、ほとんどの人が「仕方なく」自分に施したさまざまな心の「メイク」。
「自分を守る」という面で大いに役立つ一方、自分らしさを封じ込め、常に自分ではない「何者か」として生きなければいけない苦痛が生まれます。
そして、その「何者か」が本来の自分からかけ離れてしまっているほど、あなたが抱える葛藤や悩みは大きくなります。恋愛や職場の人間関係、仕事の退屈さ、家庭内の問題に発展することも。
ラクに生きたい!と心に素直になってみると、その反動で自分は「何もない」「何の価値もない」と思い込んでしまうことはよくあります。
でも、そんなときこそ踏ん張り時。
「すっぴん」の心でこそ、あなた本来の魅力が存分に発揮されます。
長年、人の期待に応えるために頑張ってきた分、それを辞めた時の反動は大きいものです。「不安や怖れ」、「燃え尽き症候群と疲労感」、あるいは「今までの自分を否定したくなる思い」などが次々と出てきます。
「心のメイク」を落とすということは、自分を守っていた鎧を脱ぎ、武器を捨てて丸腰になるようなもの。せっかくメイクを落としたのに、新たな不安感から再び新たな「メイク」を自分に施したくなることだってあるでしょう。
不安の具体的な例を、いくつか挙げてみます。
「必要とされなくなって、居場所がなくなるのではないか?」
「ばかにされたり、見下されたりするんじゃないか?」
「今までの頑張りが無駄になるんじゃないか?」
「誰からも愛されなくなるんじゃないか?」
「周りから孤立してしまうんじゃないか?」
「何もしない怠け者になってしまうんじゃないか?」
こうした不安や怖れを感じすぎてしまうと以前よりも人の期待に応えるために努力して、疲れ果ててしまうことがあります。
そうならないためにも、忘れてはいけないのは、けして元の「いい人」に戻っても不安な気持ちは消えないということです。努力して隠してきた感情が、「心のメイク」を落としたことによって表に出てきただけ。
そんなときはまず「そんな自分を肯定する」ことをしてみてください。
私たちは、不安や怖れを感じている自分を否定し、攻撃する習性があります。
だから、自分を否定せずに、「だよねー、不安になるよねー、怖いよねー」とただ受け入れてあげましょう。怖がる自分を優しく抱きしめてあげ、ありのままの自分を許し「不安になるのもOK!」と受け止めてみてください。
「過去のダメな自分」も、全力で頑張っていた
「心のメイク」を落としたとき、今までの自分にダメ出ししたくなることもあるでしょう。
「なんでこんなに無理をしてきたんだろう?」
「なんでそんな疲れる生き方をしてきたのだろう?」
当時の自分が苦しかった分だけ、もう二度と「メイク」なんてしたくない、あの時代に戻りたくない、と自分にダメ出ししてしまうのです。
「あの時の自分は間違っていた」
そんな風に過去の自分を否定してしまいたくなるのも無理はありません。
ですが、実はこれは「自分を否定する習慣」の名残りなのです。
「メイク」をしている間は、意識の有無にかかわらず、「このままでは嫌われる」と、ずっと本来の自分を否定し続けていました。
「メイク」を外していくプロセスの中で、この「自分を否定する習慣」が残っていると、今度は「『メイク』をしていた昔の自分」を強く否定するようになります。
だから、改めて自己肯定が大切になります。
「それだけ苦しかったんだよね。本当は、あんな分厚い『メイク』したくなかったんだよね」
そう自分自身に語りかけてあげます。
もし「そのときの自分を否定しちゃいけない。受け入れなきゃいけない」と強く思うと、また新たな争いが心の中で生まれます。
「過去の自分を否定したい自分」と「過去の自分を否定しちゃいけない」と思う自分とで対立してしまうのです。ここでは、その両方を受け入れるのです。
「メイク」することは苦しみを生む一方で、何らかの価値や恩恵をあなたに与えてくれていました。
改めてその恩恵を受け取ることによって、心に「メイク」をしていた時代が無駄どころか、自らの成長につながっていると実感でき、葛藤を静められるのです。
【チャレンジ】自分の良いところを受け入れるためのワーク
心が「すっぴん」になった自分の魅力を見つけるために、ワークを用意しました。チャレンジして、「今」の自分、「本来」の自分の魅力の数々を見つけてください。
①幼少期のあなたはどんな子?
もし、手元に幼少期(4〜5歳まで)の写真があれば、それを何枚か見つめてみましょう。
写真がない場合は、心の中に4〜5歳くらいの女の子を想像してみてください(想像するだけでOK)。
その子のいいところや魅力的なところ、かわいいところなどを見つけ出してノートなどにメモしてみてください。
あなたがまだ心に「メイク」をする前に持っていた、本来の魅力がそのリストになります。
②成長したらどんな素敵な女性になるだろう?
①の子が、そのまま大人の女性になっていく姿を想像してみてください。
魅力を持ったまま大人になったなら、彼女はどんな女性に成長していくでしょう?
そして、大人になった彼女が持つ魅力を、①のリストに新たに付け加えていきます。
もちろん、その女性が「本来のあなた」の姿と言えます。
③街に出て、魅力的だと感じる女性を見つける
街に出てお茶などしながら周りにいる女性を観察し、今のあなたが「あの人、素敵だな」と思う人を探してみましょう。
その人に魅力を感じた点を、①のリストに書き加えていきます。
また、魅力的に感じる人が見つからなくても、近くの女性を「この人はどんな魅力があるんだろう?」と観察して魅力を見つけていっても構いません。
このどちらのやり方でも、他人に見る魅力はあなた自身が持つ魅力なのです。
これは「投影の法則」を用いたものです。
④「憧れの女性」は誰?
今のあなたが「あんな風に生きたいな」「あんな風になりたいな」と思う人を思い浮かべてみてください。
それはあなたの周りにいる人でも、女優やモデルでも構いません。
「その人のどんな要素に魅力を感じているのか?」「その人の何に憧れているのか?」を自由に想像して、①のリストにさらに書き加えていきます。
あなたが「憧れ」を感じる人は、あなたが本来の魅力を発揮したときに解放される魅力なのです。
さて、あなたの手元のリストには、いくつくらいの魅力がリストアップされたでしょうか? もしも重複するものがあったとしても、もちろん大丈夫です。それこそ、まさにあなたを代表する魅力だということです。
注意すべきことは、このワークを「ちゃんとやろうとしない」ことです。
特に、完璧主義の「メイク」をしていた人は、要注意です。
「まだ『メイク』がきちんと落とせていない」などと思う必要はありません。
自己否定の癖が残っていると、これらのリストを疑いの目で見つめるようになります。そこで無理やりそれが魅力だと思い込もうとすると再び葛藤が生まれます。
そんなときは「まだ素直には受け取れないよねー。信じられないもんんねー」とまずは肯定してあげます。
その上で「でも、こんな魅力があったらいいよね。本当だったらすごいよね」と自分に語りかけてあげます。
自分の否定的な思いと戦わずに素直に受け入れていくと、少しずつ慣れ、「ああ、これが自分の魅力なんだな」と受け入れられるようになっていきます。
そこで自分と戦ってしまうとこのリストを眺めること自体が苦痛になってしまうので注意してください。
あなたの手元にある魅力のリストを常々見つめ直してください。
あるクライアントの女性は、毎朝、通勤で電車に乗るときに写真を撮ってスマホに保存していたこのリストを眺める習慣を始めたそうです。
1か月くらい経った頃、自分に自身がついた気がして、以前よりずっと自分のことが好きになっていたそうです。
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