【専門家に聞いた食中毒対策】 無意識のうちにやっているかも!? 菌を増やしてしまうNG行動4つ

心と体

2019.04.22

食べ物が傷みやすい夏は、食品の衛生管理に不安を持つママも多いのではないでしょうか。じつは、購入から調理、保存するまでの流れで、ちょっとした油断が食べ物についた菌を増やし、食中毒の原因につながるんです。ライオンのヘルスケアマイスター山岸理恵子さんに、食べ物の菌を増やしてしまうNG行動を教えてもらいました。

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NG行動①生鮮食品をそのまま持ち帰る

スーパーで生鮮食品を購入するとき、賞味期限や消費期限をチェックするのは最低限のルールですが、それ以外にも気温の高い夏だからこそ注意しなければいけないポイントがあります。「運んでいる途中に肉や魚のドリップもれがあると他の食材に細菌がついてしまう恐れがあるので、ビニール袋などで小分けに包みましょう。さらに、細菌の増殖速度は10℃以下でペースダウンするので、気温が高い夏は運ぶ時間も要注意。保冷バッグなどを持参して、温度管理に気をつけることが大切です」と山岸さん。猛暑と言われる今年の夏。無料で氷やドライアイスがもらえるスーパーもあるので、食品を購入してから家に持ち帰る間もなるべく低めの温度をキープすることを心がけたいですね。

NG行動②冷凍と解凍を繰り返す

特売日にまとめ買いして冷凍保存するのは、賢い主婦の常識。でも、大量に買うからこそ注意すべき行動があります。「生肉などは、買ったらすぐに食べきるのが理想ですが、食べきれない分はすぐに冷凍しましょう。解凍するのは1回が基本なので、小分けにしておくと便利です」と山岸さん。さらに、解凍するときに気をつけたいポイントとして「夏に自然解凍すると食材が傷む可能性があるので、冷蔵庫でゆっくり解凍するか、電子レンジで短時間に解凍するのがおすすめ」とのこと。室温〜35度前後までが細菌が増殖しやすい温度ということなので、解凍もひと手間かけて菌を増やさないように注意しましょう。

NG行動③野菜を触ったあとに手を洗わない

カイワレや三つ葉など、スポンジの台座がついた水耕栽培の野菜は細菌がついているので要注意。それらの野菜を触ったあとに、手を洗わず他の食品に触れると手についた細菌がそのまま付着してしまう可能性があるんです。同じように、泥つき野菜にも細菌が多く潜んでいるので、“触ったら手を洗う”を徹底して」と山岸さん。細菌は熱に弱いので、野菜自体は火を通せば問題はないとのこと。野菜の台座や泥のついた野菜を触ったら、必ず手を洗うようにしましょう。

NG行動④つくりおきおかずを消毒していない容器に保存する

人気のつくりおきおかずですが、ここでも細菌を増やすNG行動が。「でも、食中毒が増える夏に気をつけて欲しいのが容器の衛生管理。しっかり火を通したおかずも、消毒していない容器に入れて保存してしまうと、中でどんどん細菌が増殖することに。キレイに洗うだけでなく、熱湯をかけたりアルコールスプレーなどを使って、容器自体の細菌を取り除いてから使うようにしましょう」と山岸さん。さらに夏場に気をつけたいのが、2日目のカレー。「一度加熱しているから翌日も安心と油断してキッチンにそのまま放置しがちですが、夏の室温だとたった一晩でも腐り始めるので絶対にNG! 食べきれなかった分は、鍋に入れたままにせず冷凍保存しましょう」(山崎さん)。臭いがあやしいと思ったら、温め直せば大丈夫という気持ちを捨てて、思い切って捨てる勇気も必要だそうです。

家族の健康を守るママたちにとって、食中毒の不安が高まる夏の食事づくりは神経質になりやすいところ。教えてもらった食べ物の菌を増やす4つのNG行動を守るだけでも、食中毒にかかるリスクが低くなりそうですよね。おいしく安心して食べてもらえるおうちごはんで、暑い夏を元気にのりきりましょう!

取材・文/五十嵐由紀

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