教えてくれたのは……松本和隆(まつもとかずたか)先生
三重県生まれ。医療法人松徳会・松本クリニック院長。日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
2016年、三重県松阪市に医療法人松徳会松本クリニックを開院。地域では数少ない「糖尿病専門医」として毎日多くの患者の診療を行っている。著書出版、講演、テレビ出演など多数。
1.水分補給ができるようにしておく
熱中症を防ぐには、定期的に水またはスポーツドリンクなどの電解質を含む飲み物をとることが重要です。水筒やタンブラー、ペットボトル飲料を持ち歩き、いつでも水分補給できるようにしておきましょう。
その際は、一度に大量に飲むのではなく、こまめに少しずつ飲むことが望ましいです。
2.クーリングアイテムを活用する
クーリングタオルや首に巻く冷却スカーフ、冷たいペットボトルを持って行くなど、体温を下げるアイテムを活用しましょう。
最近のクールアイテムとして人気商品となっている「ミニ扇風機」ですが、気温が体温に近い状況で使用すると、逆に熱中症を発症するリスクを上げてしまう危険もあるようです。
汗は蒸発するときに、体から熱を奪い、体温を下げる役目をします。しかし、高い外気温のなかで扇風機だけを使うと、熱を奪う前に汗だけが乾き、体温は上がったままになります。その結果、脱水症状を引き起こし、重症化すれば命の危険もありえるそうです。
最近ではベビーカーにミニ扇風機を取りつけた光景をよく目にしますが、ベビーカーに日よけをかぶせて扇風機を使用するのは、マフラーを巻いて温風をあてているのと似ており、体温調節能力が未発達の幼児には危険と言えます。
もし効果的にミニ扇風機を使用するのであれば、肌を水などで湿らせてから扇風機の風邪を当てると水分が熱を奪って蒸発してくれるため、有効です。
3.日陰・冷房施設や公共交通機関を利用する
健康に気をつけて駅などから徒歩で職場まで移動している方もいると思いますが、酷暑の時期は熱中症のリスクが上がってしまいます。歩くとしたら、可能ならば日陰のある道を選び、待ち時間は冷房の効いた建物の中で過ごすと良いでしょう。または、無理せずに冷房の効いている電車・バスなどの公共交通機関を利用するようにしましょう。
4.適切な服装
通気性の良い薄手の衣服、帽子、日傘などを使用して直射日光を遮断し、汗の蒸発を助けて体温を下げましょう。ジャケットやネクタイが欠かせないという人も、できれば出社後に着るようにして、移動中はなるべく身軽で熱のこもらない服装をするようにしましょう。
5.軽い朝食をとる
睡眠不足やきちんとした朝食をとっていないということは、体のウォーミングアップができていないということになり、熱中症の発症リスクをあげてしまいます。重い食事は消化にエネルギーを使い、体温を上げる可能性があるため、朝の通勤前は比較的軽めの食事を心がけましょう。
「ミニ扇風機」などのクーリングアイテムも、使い方によっては危険であることは、あまり知られていないのではないでしょうか。
まだまだ暑い日が続きます。5つの熱中症対策ポイントを意識して安全に過ごしましょう!