他人の不幸を喜んでいる人は、自分の中の妬みの感情を解消しようとしているのです
インターネットでよく使われる「メシウマ」という言葉がありますね。いわゆる「他人の不幸は蜜の味」という状態です。
心理学の専門用語で「シャーデンフロイデ」と呼ぶこの感情は、誰でも抱きます。ただ、露骨にそれを表す人もいれば、こっそりと心の内に秘めておく人もいます。
では、どんなときのメシが最高にウマいのか。全然知らない人が不幸になってもどうということはなく、自分にとって妬みの対象である人が不幸な目に遭うシーンを見ると、蜜の味はピークに達します。
本来、人間にとって妬みの感情を抱くのは苦しいことなのですが、この蜜の味によって、それがスッキリ消え去ることが脳科学的にわかっています。
つまり、メシウマ状態を求めてしまうのは、人間として仕方のないことなのです。
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中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士、認知科学者。横浜市立大学、東日本国際大学などで教鞭を執る。脳科学や心理学をテーマに研究や執筆活動を行うほか、その知見を生かしてテレビや雑誌でも活躍。社会問題やビジネス、カルチャーなど、幅広い分野を、科学の視点で読み解く語り口が人気。
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