子どもの成長期によって違う歯ブラシと歯磨き粉の選び方
成長の早い子どもの歯ブラシ選びは、年齢に合わせて、また子どもの歯、口の大きさや握りやすさに合わせて選ぶことが大切です。歯磨き粉を使う場合はうがいができるかどうかで、「シートタイプ」「無発砲性のジェルタイプ」「低発砲性のペーストタイプ」などを使い分けましょう。
歯が生える前から始めたい歯磨き習慣
子どもの口腔ケアは歯が生えてからと思っている人も多いと思いますが、歯が生える前でも、離乳食が始まったら口腔ケアが必要です。授乳や離乳食の後、歯磨きシートや水を含ませたガーゼなどで、優しく口の中を拭いましょう。歯ブラシに慣らせるために、リング状の歯ブラシや歯固めタイプのシリコンブラシを与えてみて下さい。遊び感覚で歯ブラシに対する抵抗感がなくなります。この時期、まだ歯磨き粉は必要ありません。
歯が生え始めてから3歳くらいまで。楽しく歯磨き習慣を身に着けよう
リング状の歯ブラシや握りやすい歯ブラシ(喉突き防止ストッパー付のものもあります)で子どもに磨かせた後、仕上げ磨き用の歯ブラシで磨き残しをきれいに磨いてあげましょう。パッケージに年齢表示があるものが多いので、それを参考にしながら植毛部分が短くヘッドの小さいもの(毛の横幅が前歯2本分くらい)を選んでください。フロスも必要に合わせて使いましょう。
何でも真似したがる年頃なので、親が磨く様子を見せてあげたり、歯磨きをテーマにした絵本やDVDを見せるのも効果的ですよ! まだうがいはできない時期なので、歯磨き粉は無発砲性のジェルタイプがおすすめ。フッ素入りは歯質強化に効果的です。飲み込んでも安心な天然素材のものやうがい不要のものを選ぶか、仕上げ磨きの後軽くガーゼなどで歯磨き粉を拭き取ってあげましょう。
リングタイプの歯ブラシ
乳歯ブラシセット
仕上げ磨き用歯ブラシ
無発砲性のジェル状歯磨き粉
ブリス菌配合の歯磨き粉
3~5歳ごろ。動きが活発な時期は歯ブラシによる事故にも気を付けて
動きが活発な時期なので歯ブラシで喉を突かないように注意して。2歳半頃最後の乳歯である上顎第二乳臼歯が生え始め、3歳ごろかみ合わせが完成します。ヘッドは小さく毛のカットはフラットなものが奥まで届いて磨きやすいでしょう。キャラクター付きの歯ブラシも多いので、子どもに好きなキャラクターの歯ブラシを選ばせてあげることもいい動機付けになりますよ!
歯磨き粉は無発砲性、低発砲性のものを選び、歯磨き後にうがいの練習をさせていきましょう。まだまだ仕上げ磨きは必要ですが、少しずつ子どもが自主的にしっかり磨けるように練習していきましょう。ひとり磨きができたらいっぱい褒めてあげてくださいね!
6~12歳ごろ。大人の歯に生え変わる時期こそ、しっかり歯磨きを!
6歳で第一大臼歯が生え始め、少しずつ大人の歯に生え変わっていきます。永久歯は生え変わらないので、虫歯にならないようしっかり歯磨きの習慣をつけましょう。しっかりした歯磨き習慣が身に付き、磨き残しなく上手に磨けるようになったら、いよいよ仕上げ磨きは卒業です。
この年齢になるとしっかりうがいもできるようになるので、ペースト状の歯磨き粉を使えるようになりますが、発泡剤と清涼剤が入っているので、つけすぎると磨けていないのに口の中がすっきりして磨けた気分になってしまいます。歯磨き粉の量は最小限にして磨くか、まずは、つけないで磨いて仕上げに使うことをお勧めします。
いかがでしたか? 筆者も歯科医になってから、長年子どもや保護者の方に歯磨き指導をしてきましたが、実際自分が母になり自分の子どもの歯を磨いてみると教科書通りでないことも多く、皆さんと同じように苦労しました。
何より大切なのは子どもが歯磨きを好きになること。子どもの歯を守ろうとするあまり、躍起になって嫌がる子供に無理矢理歯磨きをしていると、子どもが歯ブラシ嫌いになってしまいます。歌を歌ったり、絵本を読んだり、お気に入りのぬいぐるみを使ったり、好きなキャラクターの歯ブラシを選んだり、その子に合ったアプローチで、歯磨き大好きっ子を育てましょう!
文/澤田史子(歯科医)
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