Q:夏はカーテンも薄手のほうが涼しい?
A:薄手だと外の暑さがそのまま室内に。遮光カーテンのほうがおすすめ
「麻などの薄手のカーテンは見た目には涼しいですが、外気の熱をそのまま室内に通してしまいます。暑さ対策なら、遮光カーテンがベスト。またはレースのカーテンと厚手のカーテンを二重にするなど、窓からの熱を防ぎましょう。エアコンの効きも変わってきますよ。外出時、閉めておくと、帰ってきたときも涼しく感じるはず」
Q:すだれやグリーンカーテンはやっぱり効果的?
A:効果あり。ただしグリーンカーテンは虫が苦手な人は避けたほうがいいかも
「日差しをカットするので効果あり。グリーンカーテンは葉から水分が蒸発するので涼しく感じます。ただ、あまりにも直射日光が強い西側の窓などにかけると植物そのものが熱にやられ、根腐れすることがあるので注意して。朝顔やゴーヤは、鉢部分に日が当たらない工夫を。私は、ヘデラや藤で作っていましたが、枯れにくい点がよかったです。ただし虫がけっこう集まってくるのでご注意を」
Q:窓にはやっぱり遮光フィルムを貼ったほうがいい?
A:日射熱を反射し窓周辺の温度を下げるので貼ったほうが涼しくなります
「商品によって効果に差はありますが、窓が受ける日射熱を吸収、反射することで遮熱し、室内の窓周辺の温度を下げることができます」。あるメーカーでは、日射熱を約40%軽減し、最大約10度もの温度上昇を抑えるデータも。紫外線もカットし、冬は室内の熱が外に逃げない働きもします。最近は窓が暗くならず、自然な見え方のものも増えています。
Q:エアコンは24時間つけっぱなしのほうが節電になるってホント?
A:本当です。設定温度を高めにしてオン、オフの回数を減らすと節電に
「どの電化製品もそうですが、エアコンも立ち上がり直後が一番電気を使います。暑くなってからエアコンを入れると、温度を下げるために多くの電気を使うことに。できれば28度くらいの高めの設定にして、極力オン、オフを繰り返さないほうが、安定した運転で、電気代も節約できます」
Q:LED電球は節電になるだけでなく、白熱球より熱くならない?
A:はい。LEDは電球自体の発熱が少なく、光を熱く感じることはないです
「白熱球や蛍光灯は熱を光に変換しているため、さわると熱いですよね。LEDは電気を直接光に変える仕組みなので、電球自体の発熱量がとても少ないんです。またLEDの光には赤外線がほとんど含まれていないので、光を熱く感じることもありません。消費電力は電球の1/2〜1/10。節電と涼しさ両方の面で、おすすめです」
Q:エアコンをつけていれば換気はしなくてもいいんですよね
A:いいえ。部屋に新鮮な空気を取り入れることができるのは換気だけ。1日2回行って
「エアコンは室内の空気を取り込んで冷まし、吹き出す仕組み。換気扇も部屋の空気を逃がすだけで外気を取り入れられません。室内の空気はカビの胞子やハウスダストなどで思った以上に汚れています。エアコンをつけたままでも、朝4〜8時、夜23〜1時の時間帯に2回換気を。窓を開けて風が抜けたことを実感して」
Q:トイレが暑いのはしょうがない?
A:換気扇の掃除をして、換気で空気の入れかえを
「トイレは服の脱ぎ着でホコリが立ちやすく、また、換気扇をつけるとドアの隙間から部屋のホコリをどんどん吸い込む場所。換気扇が思った以上に汚れているんです。掃除をすると少し涼しくなりますよ。あとは、部屋の窓を開けて換気するとき、トイレのドアも開けて換気扇をまわすと空気が入れかわって涼しく感じます」
Q:窓を開けても暑いだけ。涼しくならないんですが…
A:風が抜けるよう対角線上の窓を開けるか、換気扇で風の出口を作って
「窓を1か所開けても風が抜けないので、換気にならず、涼しくなりません。風は対角線に抜けるので、家の間取りを考えて対角線上の位置にある窓も開けましょう。1か所しか開けられない場合は、家中の換気扇をフル稼働して風の出口を作ると、涼しくなりますよ」
Q:扇風機用の保冷剤ってホントに効く?
A:効きます。凍らせたペットボトルでも代用できますよ
「扇風機の風が冷やされるので効果があります。保冷剤でなくても、水を入れたペットボトルを凍らせて扇風機の前に置いても。冷気で室温が下がり、さらにペットボトルのまわりに室内の水蒸気が結露し、湿度を下げる効果もあります」
Q:扇風機の効果的な使い方はありますか?
A:天井付近の暑い空気をエアコンで冷まし、扇風機で撹拌を
「カラダに直接風を当てても涼しく感じますが、室温自体はそれほど下がりません。エアコンをつけ、吹き出し口のフィンを平行にして、熱のたまっている室内の上部の空気を冷やします。このとき扇風機を上向きにして、撹拌してみて。天井付近の冷やされた空気が部屋の中を循環し、涼しくなります。あとは熱がたまりやすい窓に向けて扇風機で風を送ると、暑さが少しやわらぎます」
Q:エアコンのドライと除湿機、どちらが涼しくなる?
A:温度と湿度の両方を下げるのはエアコンです
「除湿機は、室内のよけいな湿度を取り去る効果はありますが、涼しくするならエアコンのドライのほうがいいですね。除湿機は、モーターが稼働することで本体そのものが熱くなり、室温をあげてしまうことがあります。夏に使うならヒーターを使わないコンプレッサー式のものか、ハイブリッド式のものを選部のがいいと思います。ただしコンプレッサー式のものは、真冬の部屋干しなどでは除湿できないデメリットもあります」
Q:部屋に観葉賞物を置くと涼しくなると聞いたけど、ホント?
A:視覚的な効果はあっても、室温が下がるかは疑問。湿気のリスクも
「植物の葉の緑が視覚的に涼しさを感じさせる効果はあると思いますが、実際に涼しくなるかどうかは、ちょっとわかりません。デメリットとしては、やはり湿気がちになることと、鉢まわりにカビがはえたり、虫がわく可能性があること。こういうリスクは理解しつつ、なんとなく涼しいかも、という感覚を重視するのも、個人の好みでありかもしれませんが」
5月から夏日が続く地域も多いなか、熱中症対策としてエアコンの稼働が推奨されますが、電気代が気になるのも正直なところ。扇風機を賢く利用したり、効率的に換気をしたり、遮光カーテンや遮光フィルムを活用したりして、コスパよく、涼しく快適に乗り越えていきたいですね。
監修/藤原千秋(住宅・家事ライター)
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