桃の栄養と効能
■ペクチン
食物繊維の一種。腸の調子を整える作用があり、便秘や下痢の解消、改善に効果が期待されます。また、血糖値の急激な上昇を抑え、コレステロール値の上昇を抑制する働きもあります。
■カリウム
体内の余分な塩分を排出する働きがあります。高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
■果糖
体内で、代謝の過程をへずにエネルギーとなるので、疲労回復に即効性があります。
■ナイアシン
炭水化物を分解し、エネルギーに変換する働きがあります。
■カテキン
アンチエイジング効果があり、老化防止やがん予防、免疫力を高める効果が期待されます。
■ビタミンE
抗酸化作用があり、体内の細胞膜の酸化を防ぎます。これにより、生活習慣病や老化から、体を守ってくれる効果が期待されます。美肌効果もあるとされます。
■鉄・マグネシウム
鉄は主に、赤血球をつくるために必要な栄養素。マグネシウムは、骨や歯の形成に必要です。貧血や冷え性の改善につながる効果が期待されます。
桃に含まれるカリウムはむくみ解消や高血圧の予防に
【女性に優しい効能が多い】
桃は、カリウムやペクチン、カテキン、鉄分、マグネシウムなど、さまざまな栄養がバランスよく含まれています。これらは、便秘やむくみ、冷え性に効果があるとされるほか、種が生薬として用いられるさいは、女性ホルモンの正常化や月経不順の解消などの効能が期待されます。このように、女性が積極的に取り入れたい効能が多くあるので、女性に優しいフルーツといえるでしょう。また高血圧の予防にもなるといわれています。
桃の皮の栄養と効能&種と葉の使い方
【皮の栄養、効能】
桃は皮をむいて食べることが多いものですが、皮には、カテキンが含まれています。カテキンには強い抗酸化作用があり、老化の原因となる活性酸素の増加を防ぐ働きがあります。また、虫歯や口臭の予防にも効果があるとされます。ただし、皮はよく洗ってから食べるようにしましょう。
【種は生薬に】
桃の種は「桃仁(トウニン)」という生薬として使われます。桃仁は、桃の種の核を取り出して日干ししたもので、女性ホルモンの乱れを正常にしたり、月経不順や便秘を解消する効能なども期待されます。ただ、あくまで生薬として用いられるもので、そのまま食べることはありませんので、安易に口にするのはおすすめできません。
【葉はお風呂に入れて】
桃の葉には、タンニン、マグネシウム、カリウムが含まれ、薬理作用があると言われています。葉には収れん作用があり、乾燥させたものをお風呂に入れると、あせもや湿疹に効果があります。生の葉を乾燥させて、お風呂に水から浸して入れると、桃湯になります。とは言っても、市販の桃には葉がついていないため、ふつうは手に入りにくいものです。桃の葉エキス配合の入浴剤などで、手軽に試してみるのもおすすめです。
桃のカロリー&1日の摂取量と栄養価が高まる食べ方
【桃のカロリー、1日の摂取量。食べるなら、朝!】
桃のカロリーは、100gあたり40Kcal。1日に食べる目安は、1個です。桃には果糖が多く含まれているので、エネルギーを消費しやすい朝に食べるとよいでしょう。とくに、便秘やむくみが気になる人は、朝に生の桃を食べるのがおすすめです。
【栄養価が高まる食べ方、食べ合わせ】
桃に多く含まれているビタミンEは、脂溶性ビタミンなので、脂質を含む食材と一緒に食べると、より吸収されやすくなります。たとえば、ヨーグルトやチーズなどと一緒に食べるのがおすすめです。
桃に含まれるビタミンCやナイアシンは、水溶性のビタミンなので、体内にためておくことができません。そのため、一度にたくさん食べるより、少しずつ分けて食べるほうがよいでしょう。
【食べ過ぎるとカロリーオーバー、下痢やアレルギーの心配も】
桃には果糖が多く含まれているので、食べ過ぎるとカロリー過多になり、肥満につながります。
また、桃には、ソルビトールという成分が含まれます。ソルビトールは消化されにくく、小腸の水分吸収の働きを悪くしてしまい、腹痛や下痢になることがあります。また、アレルギー症状もでるので、注意が必要です。
【おいしい桃の選び方】
・くぼみが左右対称のもの
・うぶ毛がきれいに生えていて、傷などがないもの
・くぼみの周辺が青くないもの(完熟の目印)
・甘い香りがするもの
【桃の切り方】
桃は、果肉が柔らかいため、皮がむきづらいものです。次の切り方をすれば綺麗にむくことができます。
①桃の切れ目に沿って、種の周りを一周グルリと切り込みを入れる。
②切れ目を境に、左右にひねって2等分にする。
③くし形にカットし、種をとる。
④皮をむけば、できあがり。
女性に優しい栄養、効能が盛りだくさんの桃。旬の今だからこそ、おいしく食べたいですね。
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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