「1動1家事」は行動を2倍にするということ
「1動1家事」は、耳慣れない言葉だと思います。これは私の造語。1つ動くたびに、1つの家事を行うという意味です。
たとえば、テレビの電源を入れるときに、ついでにテレビ周りをさっと拭く。お手洗いに行ったときに、トイレットペーパーホルダーを拭く。洗面所で顔を洗う前に洗濯機のスイッチを入れる。
このように、家の中でなにか行動をするとき、それだけで終わらせず、その場で今すぐにできる家事がないかを考えながら動くことです。朝の慌ただしさの原因のひとつに「むだな動き」があります。
たとえば洗面所で身だしなみを整えたあとに、洗濯を回していなかったことを思い出して戻る。何度もものを出し入れする。部屋と部屋を行ったり来たりする。こうした時間をなくしてあげれば、朝時間はスムーズに回り出します。
そのために一番かんたんな方法が「1動1家事」というキーワードを頭の中に根づかせることなのです。
「1動1家事」は、いつからでも始められる。
時間をうまく使うためにはいろいろな方法があります。やるべきことを書き出したり、日々のプチストレスを改善したり……。根本から変えていくためには、時間と手間が必要です。
でも、働いていたり、子育てに追われていたりして、そうした時間が取れない場合はどうでしょうか。もともと要領よくこなせるタイプでなければ、改善のための時間まで捻出することはむずかしいはずです。
でも「1動1家事」を意識するだけなら、ぐっとハードルが下がるはず。毎回やる必要はありません。この言葉を覚えておくだけ。思いついたときにできたら「はなまる」です。事前準備は何も必要ありませんし、毎日こつこつ続けなければ立ち行かなくなるわけでもない。とにかくかんたんで、効果的な方法なのです。
「家事の手数」を増やしていこう
このやり方に慣れてきたら、ステップアップを目指してみましょう。1回の行動にともなう「家事の手数」を増やしていくことです。
私は「1動3家事」くらいを目安に動いています。たとえば、朝家事の1シーンをご紹介しましょう。夫を送り出した直後、なにかしていても手を止めて、洗面所へ行くのが習慣です。朝の身じたくで夫が使い終わったタオルや寝間着を加えて、ようやく洗濯を回せるからです。家事ではありませんが、まずはスキンケア用のパックを貼りつけます。これには時短だけでなく、家事スイッチを入れる「儀式」のような役割も。次に洗濯ものの仕分けをしてスイッチを入れ、洗面台を洗ってしまいます。ついでに鏡もさっと掃除。1、2分もあれば3つの家事が終わってしまうのです。
毎日「1動1家事」を念頭に置いて動いていたら、「これも一緒にできそう」「これもすぐに終わることだ」などの気づきがありました。そして、無意識にそれらを組み合わせるように。こうして1度に行う「家事の手数」を増やしていくと、家事スピードはどんどん上がっていきます。
「1動1家事」は、1つ動くたびに「ついでにできそうな家事」を1つこなすことを指します。特別な準備は必要なく、この言葉を覚えておくだけで大丈夫。同じ時間の中で、どれだけたくさんのことをこなせるか、ゲーム感覚で楽しみながら家事を進めていきます。短時間で多くのことが終われば終わるほど、朝時間のゆとりができます。もちろん朝に限らず、この記事を読み終えた今からやるともっと効果的! 今すぐ立ち上がって、はじめてみませんか?
文/三條凛花 http://365kaji.blog.jp/
整理収納アドバイザー。時間の使い方を整えることで家事や片づけがラクになる方法を提案している。著書に『時間が貯まる魔法の家事ノート』(扶桑社)など。
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