とうもろこしって野菜なの? 穀物なの?
【とうもろこしは穀物】
とうもろこしは、ゆでてサラダに入れたり、おやつにしたりするのが一般的。野菜のように扱われることも多いですが、じつはイネ科に属します。つまり、米と同様に穀物なんです。米、小麦と並んで「世界3大穀物」の一つに数えられ、中南米では、主食として食べられることもあります。食用以外にも、バイオプラスチックの原料にもなり、さまざまな分野で利用されています。
【とうもろこしの種類】
とうもろこしの種類は、数多くあります。そのうち、食用の代表的なものを紹介します。
・甘味種(スイートコーン)
一般的に「とうもろこし」として食用にされる、甘みの強い種類。ゆでるほか、電子レンジで加熱したり、焼いたりして食べる。品種改良が進んでいて、生食できるものも。「サニーショコラ」、「ゴールドラッシュ」などの品種がある。また、若採りしたものを「ヤングーコーン」という。
・爆裂種(ポップコーン)
ポップコーンの原料となる。乾燥させ、油で炒ると、皮がやぶれてポップコーンになる。
・馬歯種(デントコーン)
家畜の飼料として利用される。また、デンプンを利用し、コーンスターチの原料となる。そのまま食用にされることはない。
とうもろこしの栄養、成分、効能
■食物繊維
不溶性食物繊維が多く、特にに実(粒)の皮には、セルロースと呼ばれる食物繊維が含まれています。これらの食物繊維は、腸内環境を整えてくれます。
さらに、血中コレステロール、悪玉菌の増殖を抑制するほか、血糖値の急激な上昇を抑えるなどの作用が期待できます。
■ ビタミンB1
ビタミンB1には、食事から摂取した糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労を回復させる効果が期待されます。
■ ナイアシン、ビタミンB2
ナイアシンはビタミンB群の一つで、糖などからエネルギーを効果的に作りだす働きがあります。そのため代謝がアップし、疲れにくい体をつくるのに役立つほか、疲労回復、ダイエット効果が期待できます。
ビタミンB群は、皮膚を健やかに保ち、肌荒れ予防に役立つと考えられています。
■ビタミンE
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、体内の細胞膜の酸化を防ぎます。これにより、生活習慣病や老化から、体を守ってくれる効果があるとされます。美肌効果も期待できます。
また、ビタミンEの摂取は、血行改善にもつながり、血圧を下げる作用もあるとされます。血行をよくすることで、しみ・しわなどを予防する効果も期待できます。
■カリウム
カリウムは体内の余分な塩分を排出し、高血圧対策やむくみを解消する作用があります。そのため、高血圧などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
ひげにも栄養があるの?
【ひげの健康効果】
とうもろこしのひげには、カリウムが豊富に含まれています。カリウムには体内の余分な塩分を排出する働きがあり、高血圧の予防や、むくみの解消に効果的です。
また、骨を丈夫にするといわれているビタミンKも含まれています。
とうもろこしを甘くジューシーにゆでる方法
【とうもろこしのおいしい茹で方は?】
とうもろこしは皮を全てむいて普通にゆでると、ゆでたてはおいしくても、時間が経過すると表面にシワができて、味が落ちてしまいます。
上手にゆでるポイントは、皮をむくさいに薄皮を残すこと。この状態で水からゆで、沸騰後、5分ゆでます。こうすると、ジューシーに仕上がるうえ、糖度もアップします。
食べ過ぎるとカロリーオーバーに!?
【食べ過ぎには注意】
とうもろこしのカロリーは100gで92Kcal。大きさにもよりますが、1本(可食部150gとする)で138Kcal。ごはん茶碗1杯分程度のカロリーがあるので、食べ過ぎるとエネルギーのとり過ぎになります。
また、とうもろこしは穀物の中で食物繊維量がトップクラス。1日に何本も食べ続けると、消化不良を起こして腹痛、下痢になる可能性があります。
今まさに、おいしい時期を迎えているとうもろこし。カリウムが豊富に含まれるというひげも、捨てずに有効活用してみてはいかがですか?
監修/吉沼弓美子(管理栄養士)
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