【歯科医に聞いた】「噛めば噛むほど若返る⁉」アンチエイジング効果のある”唾液”の7つの役割

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 【歯科医に聞いた】「噛めば噛むほど若返る⁉」アンチエイジング効果のある”唾液”の7つの役割

2019.10.28

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こんなにある!唾液の7つの役割その1

出典:www.photo-ac.com

若返るなんて言われたら、うれしくなっちゃいますよね? 実は、ほかにももっと本質的な役割が唾液にはあるのです。

1消化を助ける


「よく噛んで食べなさい」とよく子どもに言っていませんか? でも、どうして噛まなきゃいけないかと考えたことはありますか? よく噛まなければならない理由のひとつは「唾液が消化を助けるから」。

唾液の中にはでんぷんを分解する「アミラーゼ」という酵素が含まれています。唾液は、噛めば噛むほど出るので「よく噛んで食べなさい」なのです。子どもに質問されたときに、困らなくてすみますね。

2味を感じる


「なんで唾液と味が関係あるの?」。実は唾液がないと、舌は味を感じることができないのです。舌で味を感じる役割の意味あいは、おいしさを楽しむだけではないのです。

酸っぱもの、苦いものを食べたときにいっぱい唾液が出ませんか? それらの味覚は腐っているものや、毒物が体に入る前に防ぐ意味合いがあります。「これは大丈夫かな?」と考える以前に、反射的に大量の水のような唾液が出て「腐っている」「毒かもしれない」と思うと「ペッ」と吐き出すのです。そんな場面でも唾液は大活躍します。

3お口の中を「中性」に保つ


中学や高校の理科で「酸性」「アルカリ性」というのを教わりませんでしたか? 口の中は普段どちらに傾いていると思いますか? 正解は「中性」です。

通常、お口の中はph6.8~7.0を保っています。それが砂糖が入ってくると酸性に傾き、ph5.5以下になります。これは、歯の一番表面の「エナメル質」が溶ける数値なのです。それを中和するのが唾液の役割です。30~40分かけて唾液が元のphに戻していきます。ダラダラ食べるという事は、唾液がお口の中を中性に戻している暇がないということです。「ダラダラ食べがはNG」と言われる所以は、ここにあるのです。

こんなにある!唾液の7つの役割 その2

4歯の再石灰化


「歯の再石灰化」という言葉は、歯のケアグッズのCMで耳にする言葉ですが、その仕組みとはどういうことなのでしょうか?

3でもお伝えしたように、飲食をしてお口の中が酸性に傾くと歯は溶けだします。でも、唾液の中に含まれるカルシウムイオンが「脱灰」した歯を「再石灰化」してくれるのです。

5自浄作用


唾液は、お口の中をキレイにしてくれます。「え? ヨダレが口の中をきれいにするの?」と、いまいちピンとこないと思います。では、唾液が少なくなったお年寄りのお口や、ドライマウスの方のお口の中でどういうことが起きているかを考えてみましょう。

お口の中の衛生状態がとても悪くなり、口臭がきつくなります。おじいちゃんおばあちゃんの独特の口の臭いに「ちょっと困ったな」と思った経験はありませんか? お薬の副作用や、よく噛まないこと、加齢によって唾液の出が悪くなり、お口の中に汚れがたまりやすくなるのです。

そう考えると、赤ちゃんがいっぱいよだれをこぼしても、むしろウエルカムに思えますね。

6免疫力UP!


唾液の中には、「リゾチーム」という抗菌作用を持った酵素があります。これには、リンパ液や鼻の粘膜、肝臓や腸、汗や涙にも含まれ、バイ菌から身体を守る機能があります。

7食塊(しょっかい:食べ物の塊)を作る


普段私たちがご飯を食べるときに無意識でしている、実はものすごく高度な技があります。それは口の中で「食塊」をつくるということです。

口の中で噛み砕かれて飲み込むことは、ドロドロになった食べ物がそのまま喉の奥へ流れ込んでいる訳ではないのです。例えば、ご飯粒などバラバラのものは、そのまま飲み込んだらむせてしまいます。なので、唾液を使って「食塊」というかたまり…、いわば泥団子のような塊にして食道に送り込むのです。だから、むせないのです。

唾液はどうして出るの?どこから出るの?

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夕暮れ時、他のおうちの美味しそうなご飯のにおいがすると、よだれが…という経験は誰しもあると思います。

唾液は、1日どれくらい出ているかご存じですか? なんと、1~1.5リットル、つまり牛乳パック1本分くらい出ているのです。そのうちの99%は水分ですが、残りの1%に前出の1~7のような大事な成分が含まれているのです。

そんな唾液は、どこから出てくるのでしょうか? 唾液の出るタンクは、大きく分けてに3つあります。1つは耳に下の「耳下腺(じかせん)」、あとの2つはベロの奥にある「顎下腺(がっかせん)」と「舌下腺(ぜっかせん)」です。特に「耳下腺」は、よく噛むことでサラサラの唾液を出してくれます。

死期が近い動物の口の中はカラカラに渇いています。お口の中が潤っているということは、まさに生きている証なのです。小さい子を育ていているママパパは、あまりのよだれの多さに辟易しているかもしれませんが、そんな大事なものだとわかると、安心しますね。
よだれ(唾液)の役割を理解することで、子育ての面倒くささが少しでも減るといいですね!

【監修】
歯科医師 大原庸子
パール歯科クリニック 院長
東京都世田谷区の下高井戸駅・桜上水駅近く

文/堀田 馨

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