いつの間にか、自分じゃなくなる!?
付き合い始めた当初は「◯◯くん」や「△△ちゃん」など、名前や愛称で呼び合うなど、ラブラブモード満載だった二人。でも、結婚して子どもが生まれると、「パパ」「ママ」と、いつの間にか、お互い名前を呼ぶことが少なくなります。そのため、夫から女として見られていない。母親としての自分にしか価値がないのだろうか? と、落ち込む女性が少なくありません。
変化するには訳がある
「そんなことは、ありません!」と言うのは「すばらしき日本語」の著者である、清水由美さん。
「『パパ』と『ママ』だった人たちの多くは、さらに歳を重ねて孫が生まれれば『じいじ』や『ばあば』に名前が変わっていきますよね。これにはルールがあって、家族なら家族というコミュニティーの中で一番幼少のメンバー、つまり子どもや孫から見た『親族呼称』を、その集団のメンバー全員が使っているだけなんです」(清水さん)
言われてみれば、家庭だけでなく学校や職場に関しても、同じことが言えそうです。
呼び名の変化は、人生の階段と同じ
今まで、自分の名前で呼ばれなくなることは、マイナスイメージしかありませんでした。でもその本当の理由を知ると……まるで正反対。「親族呼称」が変わるというのは、家族が増える、家族構成に変化が出たという証拠。まさに、人生の階段を一歩ずつ進んでいることを実感できる、プラスワードだったんです。
そう思うと、家族と一緒にいるときに「ママ」と呼ばれることは家族の絆を感じられる呼称なんですね。でもできれば、夫婦2人の時などは「名前」で読んでくれると嬉しいなぁ、なんて。
教えてくれたのは 清水由美さん
日本語教師 清水由美さん
1958年、岐阜県高山市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。神奈川大学、マレーシア・マラヤ大学等を経て、現在、千葉大学、法政大学ほかで非常勤講師を務める。
『すばらしき日本語』
著/清水 由美
ポプラ社
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