【精神科医が教える気分の落ち込み解消法】 今日から実践できる睡眠・食事・漢方の話

心と体

saita-puls.com

2020.05.20

精神科医・漢方医の木村好珠です。
新型コロナの影響で環境が変わり、「夫や子供と一緒にいる時間が増えてストレスが溜まる」「先行きが見えなくて不安」などの悩みをお持ちではありませんか?
そんな気分の落ち込みは、「これくらい我慢できる」と放置してしまうと、もしかしたら”うつ病”につながってしまうかもしれません。
うつ病で統計を見てみると、女性は男性に比べ、約2倍となっています。私が診察をしていても、患者さんの割合は女性の方が多いため、特に女性には注意していただきたいです。
この記事では、そんな悩みの改善に役立つ方法をまとめました。ぜひ最後まで読んで、気分の落ち込みの解消に役立ててくださいね。

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なんとなく気分があがらない、そんなことありませんか?

出典:saita-puls.com

なぜ気分が落ち込むのでしょうか。気分が落ち込む理由は人ぞれぞれ違いますが、日常生活での多くのストレスが関係しています。
ただ、同じことが起こっても、それをストレスと感じる人とそうでない人がいるように、落ち込みやすさは人によって違います。

落ち込みやすい人の特徴としては、
・真面目で責任感が強い
・人に頼ることが苦手
・人に頼まれたらなかなかNoと言えない
などがあります。

また女性では、月経前や妊娠中、産後や更年期もホルモンバランスが崩れて気分が不安定になりやすい時期です。

睡眠と食事の改善が気分の落ち込み解消に有効

気分の落ち込みを改善する上で、何よりも大事なのが睡眠と食事です。
この2つがしっかりしていないと、いくら薬や他のことを改善しても、なかなか落ち込みから抜け出すことはできません。

良い睡眠をとるための3つのポイント

個人差もありますが、良い睡眠はだいたい7時間ほど。
ベットに入ってからスムーズに就寝でき、途中で目覚めることがない、または目覚めた時もすぐにまた寝付ける、スッキリと目覚めることができるのが“良い睡眠”です。
良い睡眠をとるための3つのポイントは下記3つです。

①就寝の90分~120分前までにお風呂に入る

②寝る前に軽い運動をする(激しい運動は寝付けない原因になるので、ストレッチ程度にしてください)

③靴下をはかずに寝る(手のひらや足裏などから熱が放散されると自然な眠気が生じるため)

とろろご飯やうなぎ、豆乳スープで”気”を補う食事を

気分の落ち込みは、東洋医学でいう“気虚”の状態。気虚とは、体の生命エネルギーが不足している状態です。
ですので、気を補ってあげるような食材を取り入れてあげましょう。
まずは山芋。
山芋は気を補い、胃腸症状にも効果がある食材です。
鰻も気を補ってくれる食材の代表です。
日本人に馴染みの深いお米も、気を補ってくれる大事な食材。
炭水化物抜きダイエットで、全然お米を食べないと、気が不足する原因につながります。
とろろご飯や、うな重などは気虚にはもってこいのメニューです。
そこまで食欲がない、という状態であれば、豆乳などの豆類もいいので、豆乳スープなどで体を温めながら気を補給してください。

医師に相談して薬を処方してもらう方法も

落込みが酷くなると睡眠も食事もとりにくくなったりします。そのような抑うつ気分のある方には、西洋薬か漢方薬、もしくは組み合わせて処方します。
西洋薬では、抗うつ薬や抗不安薬を使用します。
西洋薬は効きすぎたりすると翌日に眠気が襲ったりすることも有ります。逆に漢方薬はナチュラルな効果ですが根本的な改善がメリットです。

漢方でオススメなのは、まずは補中益気湯です。
気を補う漢方の代表とされ、「医王湯」と呼ばれることもあります。
食欲不振や夏バテの時などにも処方する漢方で、胃腸にも働きかけてくれます。
なんとなくだるい、疲れが取れないといった症状によく使われます。
私自身も適宜内服するお気に入りの1つです。

加味帰脾湯は、気血双捕剤と呼ばれ、気と血を同時に補ってくれる代表的な漢方です。特に心血虚に効果があると言われており、そわそわする感じや不安感、記憶力の低下に効果があります。

漢方を試してみたい!と思ったら、まずは漢方の専門家に相談してみてください。おすすめなのは、漢方に精通した医師や薬剤師がAIを活用して漢方を提案してくれる「あんしん漢方」です。
おひとりおひとりに適した漢方が自宅に届き、服用中はコンシェルジュがサポートしてくれます。

●木村好珠監修 AI Kampo

声に出すだけで少し楽になれる魔法の言葉

気分が落ち込んで辛いときは、まずは人と話すことが大事。そして、自分を追い込みすぎないこと。少し気が張っているときは「まあ、いっか。」と言ってみてください。
声に出すだけで少し楽になれる魔法の言葉です。

この記事を書いた人

精神科医/漢方医 木村好珠
渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事
医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶應大学病院での勤務を経て、慶応大学病院の助教を経、いくつかの不定愁訴を持つ方への西洋薬と漢方薬をバランスよく使い分ける。
渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患、心理学、生活習慣病など様々なテーマを精神科医・漢方医の立場で解説も行う。

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著者

木村 好珠

木村 好珠

渋谷金王坂クリニック非常勤医、一般社団法人国際統合治療協会理事 医学部在学中より東洋医学を学び、精神科と東洋医学科が充実している慶應大学病院での勤務を経て、西洋薬の即効性等と漢方薬の根本的な治療をバランスよく使い分ける事を信条とする。渋谷の漢方内科で非常勤医として勤務する傍ら、テレビや雑誌、インターネットテレビ、Webメディアなどで、精神疾患、心理学、生活習慣病など様々なテーマの解説も行う。

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