嘉祥の日は、時代によって変化してきた「お菓子で厄除け」をする日。
6月16日は嘉祥の日です。
明治時代まで行われていた厄除けの「嘉祥の儀」を、“和菓子を楽しむ日”として現代に復活させたもの。昭和54年に全国和菓子協会が制定しましたが、そのルーツは平安時代にまで遡ると言われています。
もともとは、お菓子を楽しむのではなく、厄除けを目的としたものでした。疫病が流行っていた時代のこと。当時の天皇が、6月16日に元号を改めました。その際、16種類のお菓子を神さまにお供えしたところ、たちまち疫病が沈静化したということです。
その後、時代は変わっても「6月16日」「菓子」というキーワードはそのままに、さまざまに形を変えて受け継がれてきました。最初は政治の世界で。やがて庶民にも伝わり、今では6月16日という日づけは、そのままに旧暦から新暦に変わって行われています。
この記事では、そんな「嘉祥の儀」を現代風に楽しむアイディアをご紹介しています。
小さな和菓子の詰め合わせを買うと手軽
16種類の和菓子をかんたんに用意するには、小さな和菓子の詰め合わせセットを買うのがおすすめです。デパートや和菓子屋さん、通販などで購入できます。
たとえば、京菓子富久屋の「花園」は、色とりどりの美しいゼリー菓子が詰め合わせになったものです。20個入りの小サイズ(1,296円)ものを買うとかんたんに16種類揃えられます。
また、ばいこう堂の「和三宝」は、パステルカラーのかわいい和三盆の干菓子です。さまざまな商品があり、商品ごとに干菓子の形も変わります。18個入り(648円)のものがおすすめ。商品によっては同じ値段で15個入りのものもあるので注意。
もっと手軽なものだと、金平糖を16粒用意するなどもいいかもしれません。これならスーパーなどでも入手できる可能性があります。
かんたんに作れる「わらび餅風水ゼリー」
現代の「嘉祥の日」は、和菓子を楽しむ日とされています。伝統に則って16種類用意しなくても、いつものおやつの時間に、かんたんな和菓子を作ってみるという楽しみ方でもいいかもしれません。
たとえば、わらびもち風の水ゼリーなどはとてもかんたんです。黒蜜ときな粉、ゼラチンがあれば作れます。
作り方をご紹介します。
①水(大さじ2)にゼラチン(5g)をふやかす。
必ず先に水を小さな器に入れて、その後にゼラチンを振り入れてください。5~10分ほど置いておきます。
②耐熱容器に水(100cc)を入れて、レンジで加熱する。
600Wで2分ほどです。熱々になれば大丈夫。タッパーなどの保存容器で作るのがおすすめです。
③水(100cc)とゼラチンを混ぜる
水は水道から出したばかりの冷たい水を使ってください。ふやかしたゼラチンも入れて、とけきるまでよく混ぜます。甘めが好きな人は、ここで砂糖を大さじ1くらい入れておきましょう。
④冷蔵庫で冷やし固め、できあがり。
数時間経ってゼリーが固まったら、容器に崩し入れて、黒蜜ときな粉でいただきます。
探してみると、かんたんな和菓子のレシピはいろいろあるものです。家にある材料でできるものも多いので、この機会におやつのレパートリーを増やしてみるのも楽しいかもしれません。
もともとの「嘉祥の儀」は厄除けが目的でした。現代であれば「健康祈願」がそれに近いのではないでしょうか。和菓子を楽しみながら、家族みんなの健康をそっと祈る。そんな静かな過ごし方も素敵です。
時代とともに「嘉祥の日」が形を変えてきたように、あなたが楽しくかんたんに取り組める過ごし方を見つけてみてください。
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