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我が子は本当に「男の子」?先入観を捨てて、性別について考えてみませんか?

安田ナナ

我が子から自分の性別に違和感があると打ち明けられたら——もしくは身近な存在の子どもが性同一性障害かも? と、感じたら——あなたはどうしますか?
じつは、自分の身体と心に違和感のある子どもは少なくありません。
そんな子どもに私たち大人は、どのように配慮すればいいのでしょうか。
性同一性障害の当事者であり、支援者でもある臨床心理士・心理学博士の西野明樹さん著、『子どもの性同一性障害に向き合う』(日東書院)にはそんな悩みを解決してくれるヒントが多く書かれています。

性同一性障害とは?

「あなたの性別は?」と質問されたとき、読者の皆さんはなんと答えますか?
「男です」もしくは、「女です」と即答する人が大半だと思います。
しかし、世の中にはこの質問に戸惑いそして、「わからない」と答える人、身体的性別と反対の性別を答える人もいます。
性同一性障害という言葉をこれまでに耳にしたことはないでしょうか。もしくは「聞いたことはあるけれど、実はよく知らない」という人もいるかもしれません。
性同一性障害を本文から説明すると「生まれたときの身体的な性別の特徴と自分の性別に関する認識が一致していない状態」のことをいいます。そして自分の身体に拒否感・嫌悪感を抱き、性自認に沿った性別になりたいと願うことと説明されています。
このことから、心と身体の性が一致していない状態のときに「あなたの性別は?」と質問されると、自分の身体の特徴としては男の子(もしくは女の子)だけど、気持ちは女の子(もしくは男の子)だし……と、困惑してしまったり、身体は男の子でも心は女の子なので「女です」と言い切ってしまったりします。

幼少期はとにかく見守るということ

出典:stock.adobe.com

子どもの場合も幼少期から性別に違和感をおぼえ、身体的性別とは逆の言動や服装を好んだりします。
たとえば、男の子の場合はスカートをはきたがり、お化粧に興味を持つ子も。女の子の場合はスカートを嫌がり、男の子と一緒に遊ぶことが多いなど。
しかし、西野先生はこの時期の子どもの言動だけで大人が持つ、社会的な男女の意味づけに当てはめてはいけないといいます。子どもの置かれている環境や兄弟(姉妹)関係によって生じているだけかもしれないので、これらの特徴があったとしても性同一性障害を疑うのはまだ早いのです。親が先入観から不安に思ってばかりいないで、目の前にいるお子さんの表情や姿を見守ってあげてくださいとも。

子どもに性同一性障害の特徴があったとしても、答えは大人が決めつけない

第二次性徴を迎え、男らしい、女らしい身体つきに変化をしていくと自分の性別への違和感を強めてしまう子もいます。そんなときに「男っぽくなったね」「女らしくなったね」と声をかけられることすら苦痛になり、塞ぎがちになってしまう子どももいます。日に日に変化する自分の身体に混乱し、気持ちが安定しないことが多いとしても一方的に「性同一性障害」を疑うことは適切ではないと西野先生はいいます。
本人の心の準備ができていないうちに周りの大人が性同一性障害ではないかと問い詰め、カミングアウトを促してはいけません。「どうしたいの?」などの声掛けはもってのほか。大人ができることは焦る気持ちを抑え、助けを求めてくれたときにその子に添った解決策を一緒に考えること。そのときにかける言葉の準備や情報収集などが必要だと説明しています。

性別に関係なく、誰もが『自分らしく』生きていくには?

出典:stock.adobe.com

メディア等でLGBTという言葉も当たり前のように使われる時代になりました。一見、社会はセクシュアルマイノリティを受け入れ、昔とくらべると随分と生きやすい世の中になったような気がします。
しかし、子どもの当事者が学校生活を問題なく過ごせているとはまだまだ言い難いのが現実です。悩みを抱えながらも、安心して社会生活を送れるような環境を作ることが私たち大人の役目です。そのためにも私たちが「男」ではないならば「女」、「女」ではないならば「男」と性別をどちらかの枠に当てはめるのではなく、多様な生き方を尊重し、誰もが自然と存在できるような社会を作っていかなければなりません。その結果、「周りとは少し違う自分」に戸惑っていた子どもが自分らしく生きていける世の中になればと思います。身近に性別に違和感を覚え、悩みを抱えている子どもがいないとしても、いつか出会うかもしれないその子のために意識しておくことはとても大切です。

『子どもの性同一性障害と向き合う』

『子どもの性同一性障害と向き合う』

著/西野 明樹
日東書院

 

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