アドバイス1:どれだけ貯蓄があるか分かりません
今回のご相談者様は、ご夫婦で月55万円ほどの収入があるご様子です。
ご主人14万円、奥様9万円、お義母さんから2万円の計25万円でご家族の家計のやりくりをしており、残りの30万円が各自の小遣いとなっているということですね。
夫婦の貯蓄は200万円、そのほかに個人で貯金や個人年金を契約されているようです。
こちらの個人でされている貯金や個人年金などの貯蓄額が分かりませんので、個人の小遣いとなっている月30万円のうちどれだけが貯蓄になっていて、どれだけが支出になっているのかが分かりません。
ご家族の家計からも余剰があり、夫婦それぞれたがいに貯蓄もされているということですし、お金についての悩みは特にないとのことですので、おそらく少なくとも、ご相談者様にはそれなりの貯蓄がすでにあるのではないかと推測されます。
アドバイス2:DINKS家計の盲点
DINKS家計の方というのは、夫婦でお互いに収入があり、子供などにかかる支出がないため、今回の相談者様のように互い別々に個人の収支を管理しているという方が多く見られます。
以前、以下の記事でも紹介させていただいたのですが、
《夫の収入や貯金額を知っていますか?「お互い稼いでいるから」夫婦別財布の恐ろしいリスクとは》
夫婦で別々に家計を管理されていると、老後に思わぬ落とし穴が現れることがあります。
ご相談者様はしっかりと貯蓄をされている感じがいたしますが、ご主人までしっかり貯蓄をされているかは、今回の内容からは分かりません。
もし、ご主人が全く貯蓄をしていなかった場合、ご主人の老後資金の不足分までご相談者様が補うつもりがあるのかなど、ご主人の懐具合が分からないのであれば分からないなりの準備はしておいた方がよいと思います。
また、現在賃貸住宅で老後の住居費についても心配されているご様子ですが、年金生活になると今よりもぐっと収入は少なくなることが予測されます。
今よりも少ない収入で住居費を賄う場合でも、夫婦別々の家計管理でやりくりできるのかは相談しておいた方が良いでしょう。老後になってから夫婦で合算してやりくりをしようとしてもうまくいかない場合が多いので、あらかじめ練習しておくのも良いと思います。
老後であっても夫婦で別々にやりくりをし、住居費の負担割合なども決めないおつもりであれば、老後までにマイホームを購入し、夫婦で支払いを終えてしまっておくのもひとつの方法かもしれません。
アドバイス3:両親の介護や医療費にどれだけかかる?
不安になられているご両親の介護などについてですが、実際に介護の状況になると、お世話をする時間的な負担などに加え、介護費や医療費などの費用の負担も増えていくことになりますね。
もしかしたら、どちらか一方が仕事を制限しなくてはならない可能性もあり、収入が減るリスクも考えられます。
ご両親の年齢や収入、希望される条件になどにより、事前に準備をしておいた方が安心です。
費用の面での心配は特にないかもしれませんが、参考までに介護や医療にかかる費用について紹介しておきますね。
お義母様は75歳ということですから、後期高齢者制度に加入されていることと思います。
万が一、毎月高額な医療や介護の費用が掛かるようになった場合の医療費と介護費の限度額は、年額56万円が基本です。実際には、収入などの状況によって、限度額は年間19万円から212万円までと幅がありますが、ここでは基本の年額56万円をもとにして考えてみましょう。
日本人女性の平均寿命は約86歳ですから、仮にお義母様の高額な介護に必要な時期が10年間続くと考えると、56万円×10年=560万円の介護や医療に関する費用の負担が生じることになります。奥様のご両親もご存命と考えると、少なくとも3倍かかることになります。
医療保険の対象外となるものや介護保険対象外のサービスにかかる費用や病院や施設での食費や病院での差額ベッド代、施設での居住費(滞在費)、福祉用具購入費および住宅改修費の自己負担分などは、自己負担額には含まれないので、実際にはさらに負担が増えると予測されます。
お義母さんやご両親の年金やこれまでの貯蓄などから十分に賄える範囲なのか、確認しておくと安心ですね。
まとめ
今回のご相談者様の家計は、ご家族共同の家計の内容についてはある程度分かりますが、ご夫婦それぞれに管理されている部分の家計の内容が分かりません。
ご家族共同の家計については、現状では特に大きな問題点はありませんのでご安心ください。今後は、ご夫婦それぞれの家計内容も含めて把握されていくと、さらに良いでしょう。
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