買い物でストレスを発散しない
「部屋にものが少ない人ほど、ムダづかいをほとんどしていません。だからこそ、お金がどんどん貯まっていって、心にもゆとりができます。すると、好きなことだけにお金を注ぎ込めるのです」と言うのは、『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』の著者であり、ファイナンシャルプランナーの飯村久美さん。
例えば、仕事が休みのたびに買い物でストレスを発散し、足の踏み場もないほど部屋も散らかっている。
このような人は、買い物でストレスを一時的に発散できても、膨大なものに埋もれ、買ったものを楽しむ余裕がありません。部屋が散らかっていることで、仕事にも集中できないこともあるかもしれません。
しかし、ものが少なくなれば、少ないものを大切にするようになります。買い物をする回数が減るので、自然と浪費も減ることになり、お金が貯まることにもつながるのです。
「お金を貯めたければ、捨て上手になりなさい」と飯村さんは言います。
ダブり買いをしない
「お金が貯まらない人は、自分の持ち物を管理できていません。必要なものはあるのに、つい、ものを買ってしまうのです。一方、お金が貯まる人は、自宅のクローゼット、冷蔵庫になにが入っているかをおおよそ把握しています。ですので、すでに冷蔵庫にあるヨーグルトをまた買ってしまうなんて失敗はしません。それだけの違いなのです」
確かに、ついダブリ買いをしてしまうこと……ありますよね。
飯村さんは、ついムダな買い物をしてしまうのは、「食品」「洋服」「雑貨」などであると指摘しています。
そのため、それらが収納されているところを、スマホなどで写真に撮って保存するといいそうです。写真に撮っておけば、買い物前にその写真を見るだけで必要なものがすぐにわかるのです。
最近では、冷蔵庫にある食材の写真を撮って賞味期限も管理できるアプリや、クローゼットの衣類を撮影して同じものや偏ったものを買わないようにチェックできるアプリもあるので、上手に活用しても良いですね。
ついつい余計なものまで買ってしまうムダ買いの習慣を改めるのに役立ちそうです。
ポイントを貯めない
「多くの人が、ポイントやマイルが貯まるカードを持っていると思います。でも、ポイントやマイルはよく貯まるのに、お金は貯まっていないという人がいるのではないでしょうか。お金が貯まらない人ほど、ポイントやマイルを熱心に貯めているといいかえてもいいでしょう」
「一見お得に見えるポイントやマイルの特典は、実はそれほどお得ではありません」と飯村さんは指摘しています。
なぜなら、ポイントやマイルを貯めるのに、それだけお金を使ってしまうから。最初にポイントが少し与えられると、もっと貯めようという心理が働きます。そしてポイントが貯まってくると、ついうれしくなってしまいます。その貯まっていく感覚が、いつしか買い物をするのと同じくらいの目的になってしまうのです。
確かに、ポイントは貯まるとお得なものですが、「ポイントを貯めること」が目的になってしまい、浪費につながっては本末転倒です。
それでもどうしてもポイントを貯めたい人は、ポイントやマイルを貯めるのに余計な買い物をするといった、ムダなお金を使うような貯め方にならないように工夫しましょう。
自動引き落としにしない
「家賃(住宅ローン)、生命保険料、水道光熱費のほか、通信費、スポーツジム、子どもの塾や習い事、定期購入など、さまざまな支払いを自動引き落としにしていると思います。毎月、コンビニや銀行の窓口で支払わずにすむので、とても便利です。でも一度、この自動引き落としを見直してみてください」
便利だからと利用している自動引き落としでも、多くなればなるほど、自分でも払ったことさえ覚えていないような支払いが出てくるのです。
・利用しなくなったサービスに、お金を払い続けていないか
・そのサービスや商品は、今もほんとうに必要なものか
・自分でも知らずに支払っているものはないか
この3つのポイントをチェックすると、ムダな自動引き落としが見つかると飯村さんは指摘しています。
毎月知らないうちに支払い終わっている自動引き落とし。お金を貯めたいなら、いっそのこと現金払いにするというのも有効な手段になるそうですよ。
毎月、たくさんの請求書を全て現金払いにしたら……。想像するだけで、ぞっとするくらい面倒な作業になることは明白です。
「現金払いで支払うくらいなら面倒だからやめてもいい」と思う支出から順に見直していくと、捨てるべき支払いが見えてくるかもしれません。
教えてくださったのは……飯村 久美(いいむら・くみ)さん
FP事務所アイプランニング代表。日本FP協会認定ファイナンシャル・プランナー。 学習院大学卒業後、安田火災海上保険(現・損害保険ジャパン)に入社。在籍中にファイナンシャル・プランナー(FP)資格を取得。退職後、自らの経験から、ファイナンシャルプランは「生活を守る手段」であるとともに、「やりたいことや夢を叶えるために必要なツール」と痛感。「個人の夢を応援し、家計から日本を元気に」という想いで、2006年FP事務所を開業。これまで手がけた家計相談は1000世帯を超える。 わかりやすく親しみやすい話しぶりから、テレビやラジオ出演、セミナー講師として幅広く活動中。著書に『子どもを持ったら知っておきたいお金の話』(KADOKAWA/中経出版)、『シングル女子の今日からはじめる貯蓄術』(成美堂出版)。監修に『一生お金に困らない! 貯め方・増やし方』(ナツメ社)がある。最新刊に『お金の先生! できるだけ簡単にお金が増える方法を教えてください。』(アスコム)がある。