洗いものをする前に、たくさんある”やるべきこと”
「洗いものって面倒くさい」
仕事柄、いろんな方の家事に関する考えを聞くことがあります。特に多いのがこの意見。私自身も洗い物は好きになれない作業です。
でも面倒なのは、実は洗いものではないかもしれません。「洗いもの」という表現が一般的になっているけれど、実際には、食事のあとに発生するさまざまな作業をまとめて「面倒な洗いもの」と言われているように思います。
たとえば、シンクが狭い場合。「洗いものをしよう!」と思っても、調理中に出たたくさんの洗いものですでにシンクが埋まっており、その片付けからはじめる必要があります。
油や汚れがたっぷりついたお皿は、そのまま洗うとべたべたするので、事前に汚れを取り除いておいたほうが楽です。特に、私の周囲では、油汚れがたっぷりついたお皿同士を重ねる人をよく見かけますが、こうしてしまうとお皿の底面まで汚れを落とすのが大変になってしまいます。
さらに、調理台が狭い場合は、運んできたお皿が所狭しと並び、どれから洗うかにも悩みますよね。また、食べ残しがある場合はそれを捨てなければいけないし、ヨーグルトのカップや蓋があれば、分別して捨てる場合には先に洗う必要があります。目に入ってくる情報が増えることで、考えたり選んだりするのに時間がかかるようになるのです。
洗いものを楽にするには、こうしたたくさんの問題点を、一つひとつつぶしていく必要があります。
今回紹介する内容をダイニングテーブルの上で行うと、食後の作業が断然楽になりますよ。ただし、どれくらい時短になるかは、ご家庭の状況によります。お子さんの年齢や食生活によって、洗うものや出てくるごみが変わるためです。
1.拭き取り作業がすべての基本
すべての基本は、拭き取り作業です。ちょっとした汚れならウェットシートや濡れた布で。油汚れは、まず乾いた布やティッシュで拭き取ってからウェットシートで仕上げ拭きをすると、コップと同じスポンジで洗っても問題ないくらいきれいになります。
また食洗機に入れるという場合でも、先に汚れを拭き取っておくと、キッチンに運んだらすぐに食洗機にいれることができます。
私は手軽さ重視でウェットシートとティッシュを使っています。コスパや環境面を考えると、古タオルや古衣類を小さく切ったウエスを用意しておくのがおすすめです。
2.食べ残しは袋へイン
食べ残しは、あらかじめ袋に捨てておきましょう。
私は、スーパーで肉や魚を買ったときに入れてくれる小さなビニール袋を溜めておき、使っています。チラシを使って紙箱を折るのもいいでしょう。ヨーグルトやプリンなどが入った容器など分別が必要なごみが出るご家庭は、袋を2枚用意するか、一時置き場としてプラかごなどを用意しておくとまとめやすいです。
ヨーグルトカップなどもウェットシートで拭き取れば、きれいになってそのまま分別ゴミに捨てられますし、一時置き場用のかごが汚れることもありません。
また、防臭袋を使うのも一案です。防臭袋は、ドラッグストアやネットショップなどで買えるもので、おむつや生ごみなどを入れてもにおいが漏れにくい商品です。
私は、調理中に出た生ごみをこの防臭袋に入れており、食べ残し等が入ったビニール袋もあとからここへ入れます。使っているのは「BOS」という防臭袋です。食卓でそのまま使うなら、食べ残しや拭き取りゴミが出る量によってSSサイズかSサイズを使い分けます。なお、生ごみをまとめて入れるのにはたっぷり入るLサイズを愛用しています。
食べ残しがなくなり、拭き取り作業もしておけば、お皿を重ねても底面に汚れが付きません。重ねて運べるとダイニングとキッチンを往復する回数も少なくなりますし、調理台やシンクの散らかりも防げます。
「ダイニングセット」を作っておくとカンタン!
ここまでの内容を日々の習慣にするには、取り出しやすい収納を作っておくのがおすすめです。ここではダイニングセットと呼んでみます。
ダイニングセットには、食事中や食後に使うすべてのものをまとめておきます。食事をはじめる前にこれをテーブルに持ってくれば、無理なく食後のひと手間をこなせるようになりますよ。
わが家では、ティッシュやウェットシートは卓上にあるので入れていません。食べ残しを入れるビニール袋のほか、5歳の子どもが、食後に自分で口まわりを拭くために折り畳みミラーが入っています。また、子どもの髪の毛が長いので、食事中だけ髪を結ぶシュシュも入れてあります。
ダイニングセットの中身は、ご家庭によって変わると思います。作っておくと食後の片付けにかかる時間が減るので、ぜひ試してみてくださいね。