1.高SPFの日焼け止めは使用感が悪くなる⁉
太陽から降り注ぐ紫外線をカットするために、日焼け止めには「紫外線防御剤」が配合されています。SPF値が大きいほど、紫外線防御効果に優れていることを表しています。
しかし、SPF値を高くするには紫外線防御剤の配合量を増やさなくてはなりません。特に粉体の紫外線防御剤を多く使うとキシみが出たり、白浮きしたりするために塗布量が減ってしまう傾向があります。
前回の記記事でお伝えしたとおり、日焼け止めは量が命!薄塗りはうっかり日焼けの原因です。そう、多くの人が“日焼け止めの塗る量”が全然足りていないんです。
使用感の良いアイテムを選ぶように致しましょう。
2.「石鹸で落ちます」表記のワナ
高SPFの日焼け止めは、汗・水に強い耐水性や皮脂に強い耐油性が備わったものが多くあります。一見便利そうですが、「落としにくい」という落とし穴が。専用のクレンジングを使わなくてはいけない場合もあり、高い洗浄力で洗い続けると肌が乾燥しやすくなってしまいます。
高SPFの日焼け止めは肌負担も大!!
「石鹸で落ちます」と書いているものもありますが、石鹸の成分によって洗浄力が異なるため、必ず落ちるとは言い切れません。特に、アミノ酸系のボディソープを使っている場合は要注意です。
なかなか落ちないからと、擦り洗いをしてしまうのはもっとN G。肌への負担が大きく、肌荒れの原因になってしまいます。
高SPFの日焼け止めは、洗浄時の肌負担が大きいため、毎日の使用には向いていないのです。
3.まれにかぶれてしまう場合も…紫外線防御成分を見直そう!
日焼け止めに配合されている紫外線防御剤は「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2種類があり、複数種類を組み合わせることで、効率よく紫外線をカットすることができます。
「紫外線散乱剤」は無機系の粉体原料で、物理的に紫外線を散乱させる働きがあります。
アレルギー性は殆どなく安全性の高い原料ですが、白浮きしやすくきしみやすいなど、使用感に影響しやすいことに加え、粉体同士が凝集すると、紫外線防御効果が落ちてしまうなどのデメリットがあります。
代表的な成分は「酸化チタン」「酸化亜鉛」「酸化セリウム」など。「ノンケミカル処方」と書かれている日焼け止めにはこれらの原料が使用されています。
「紫外線吸収剤」は有機系原料で、多くが合成物です。紫外線のエネルギーを吸収して熱に変換することで、紫外線から肌を守ります。
もともと液体であったり、溶かして使用したりするために白浮きせず、使用感に影響しにくいメリットがあります。
紫外線吸収剤が配合されている日焼け止めは「ケミカル処方」とも呼ばれ、世間的にあまり良いイメージを持たれていませんが、日本国内で使用可能な紫外線吸収剤は国際的に安全性が確認され、使用実績のある成分に限られている上に、安全に使用可能な配合上限まで定められています。
近年の進んだ処方技術では、配合量を出来るだけ抑えて高い紫外線防御効果を出すような工夫もなされています。
しかし、まれにアレルギー反応を起こす成分であることも事実です。赤ちゃん用や、敏感肌様の日焼け止めに「ノンケミカル」が採用されているのはそのためです。
赤ちゃん用や、敏感肌様の日焼け止めに使われる代表的な成分は「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」「t- ブチルメトキシジベンゾイルメタン」等です。
ここまで見ると、日焼け止めを塗るのが少し怖くなってしまうかもしれませんが、紫外線による肌へのダメージの大きさは、過度な洗浄、摩擦や乾燥ダメージと比較すれば天と地との差ほどあります。
肌への負担を出来るだけ低減することを考えつつ、日焼け止めは毎日使うことを心がけましょう。
4.正しく選ぼう!日焼け止めの適切な強さとは?
普段から「高SPF値」のほうがいいとSPF50を使ったりしていませんか?
SPF値は、高くても低くてもいいものではありません。下記を参考に、自宅に様々なSPF値の日焼け止めを2,3本持っておくことがおすすめです。
通勤や買い物など、普段の生活で使用する分には、SPF10~20
屋外へ出る時間が長い時にはSPF20~30
海や山など、レジャーを楽しむ時にはSPF40~50+
汗や水濡れはもちろん、衣服との擦れでも少しずつ取れていきます。ですので2,3時間毎の塗り直しも忘れずに!
ご自身のライフスタイルに合わせて、賢く日焼け止めを選んでくださいね。