炊飯器で保温したままの状態で何時間大丈夫?
ご飯が炊けた後、自動的に保温モードになる機能はとても便利で、ほとんどの方が使ったことがある機能ではないでしょうか。とはいえ、保温したままでずっとおいしさがキープできるわけではありません。メーカーや機種にもよりますが、保温したままでも食べられるのは、12~24時間くらいだと言われています。
※最近では長時間美味しさがキープできるモデルもあります。
ただし、基本的には長時間保温すると、黄ばみやにおい、パサつきがでるので、炊きたてに近いおいしさを味わうためには、5~6時間以内がおすすめです。
また、保温に適するのは白ごはんの場合。炊き込みご飯などは保温しておくとにおい残りやサビなどの原因となることもありますので、炊きあがったら取り出して保存しましょう。
放置しすぎるとどうなる?
忙しかったり、疲れていたりすると、気を付けていても保存するのを忘れてしまいがち。放っておくと、どんどん腐敗してしまうので要注意!
特に気温が高い夏場は、腐敗の進行が速いです。時間が経ったご飯は、水分が抜けてパサパサになるだけではなく、旨みの成分が抜けて黄色っぽく変色することがあります。
異臭がしたり、糸が引いたような状態になると間違いなく腐敗している状態で、その味は酸味が感じられるそうです。
また、見た目や臭いに変化がなくても食中毒の原因になる「セレウス菌」が潜んでいる場合も。
セレウス菌は、土壌・水・植物の表面や土壌などに広く分布する菌で、食中毒では特にごはんものや麺類などに多いと言われており、下痢や嘔吐などの症状を引き起こす恐ろしい菌。
28~35℃で最も増えると言われており、大量に作った料理などがぬるい温度帯になると菌が増えてしまう原因となる危険性があります。見た目やにおいなどから判断できないため、少しでも不安を感じるようなら食べるのを控えておいた方が良さそうです。
これを防ぐには、調理したものはすぐに食べること、時間をおく場合には常温で放置せず冷蔵/冷凍すること、保存期間は短くできるだけ早めに食べてしまうことがポイントです。
保存方法別の保存期間
余ったご飯の保存方法によって、おいしく食べられる期間が異なります。
保温を切ってそのままの場合
そのままご飯を入れっぱなしするのはおすすめしません。
保温モードをオフにすると、中の温度が雑菌の繁殖しやすい30~40℃に下がり、ごはんが傷んでしまうので炊飯器内にごはんをキープしておく場合には保温ボタンは切らないようにしましょう。
冷蔵の場合
では、炊いたご飯を冷蔵庫で保存する場合はどうでしょう。『またすぐ食べるから大丈夫』と、つい冷蔵庫に入れてしまいたくなることもありますが、じつは冷蔵保存は向いていません。
冷蔵保存をすると、ご飯本来の風味はどんどん落ちておいしさが失われてしまいます。お米に含まれるでんぷんの老化は2~3℃で起こりやすいのです。でんぷんが老化すると、ねばりがなくなって硬くなり、消化性も悪くなります。ごはんの美味しさをキープするには、おひつや冷凍保存がおススメです。
冷凍の場合
冷凍保存の場合は、だいたい3~4週間程度は日持ちすると言われています。どの保存方法よりも長く保存することができるので、ご飯が余った場合は冷凍保存がおすすめです。
ちなみに、冷凍ご飯が炊き立てのようなおいしさになる、冷凍ご飯ケースもありました。
口コミでは、ラップ不要でラクになった、ふっくらとしておいしい、といった声があるようです。
正しい保存方法は?
一番長く保存ができるのが、冷凍での保存。正しく冷凍すれば、解凍後もおいしさを逃さずに食べることができます。
2種類の冷凍での保存法をご紹介しますが、どちらの場合も冷凍した日にちをメモしておくなど工夫し、古いものから順に使うようにしましょう。
ラップを使う場合
冷凍保存する場合、冷ましてからではなく、炊きたてのあたたかい状態でラップに包むと、風味を損なわずに保存できます。
広げたラップに、ご飯をなるべく平らにふんわりと包み、粗熱が取れたらなるべく早めに冷凍庫に入れるようにしましょう。
また、包んだご飯を重ねてしまうと、つぶれてしまう恐れがあるのと、温度を下げるのに時間がかかってしまうので注意が必要。より高い鮮度を保つために、ジップロックなどの冷凍保存袋に入れてから冷凍すると空気に触れにくくなります。さらにアルミトレイにのせて冷凍すると、冷凍の時間を短縮することも。スペースの関係で、どうしても重ねて保存する場合は、一度冷凍させてから重ねるようにしましょう。
保存容器を使う場合
タッパーや、市販のご飯専用の保存容器を使って冷凍することも可能です。物によっては、冷凍庫内でスペースを取るものもありますが、重ねてもつぶれる心配がなく、洗って繰り返し使えます。
保存容器を使う場合も、温かいまま容器に入れて粗熱が取れたら早めに冷凍しましょう。ただし、あまりぎゅうぎゅうに詰めるのではなく、ふんわりと容器に入れるようにするとよりおいしく保存できます。
1人分ずつ保存しよう
大量に保存する場合には冷ます際に中心温度がぬるい状態になる可能性が高く、再加熱の際も全体にしっかり熱々になりにくいので、なるべく小さい(1人分など)分量に分けて保存するようにしましょう。
余ったごはんは、安全においしくいただけるように、小さく小分けして冷凍保存することがおすすめです!
参考資料:食品安全委員会 ファクトシート
Amazonのアソシエイトとして、saitaは適格販売により収入を得ています。