おいしい「2 日目のカレー」は大丈夫なの?夏に高まる「細菌性」食中毒の危険性!正しい保存の仕方は

料理・グルメ

stock.adobe.com

2021.07.10 更新

カレーといえば「2日目がおいしい」なんて通説がありますが、カレーの作り置きには要注意なんですよ。

過去3年間の年間食中毒事件数は、いずれも1000件を超え、13000~17000人の人が毎年食中毒に苦しんでいます。暑くなる夏はとくに「細菌性」の食中毒のリスクが高まると言われており、食品の正しい扱い、保存方法など正しい知識が必要です。
冷蔵庫に入れておけば大丈夫、涼しい部屋だから大丈夫……。そんな「思い込み」ありませんか?

広告

恐ろしくなる細菌の増殖スピード

出典:www.ajinomoto.co.jp【過去3年の病因物質別事件数】
グラフを見ると夏場には細菌による食中毒が増加していることがわかる

食中毒の原因として多いと言われるのがは「細菌(病原大腸菌、カンピロバクター属菌など)」「ウイルス(ノロウイルスなど)」「寄生虫(アニサキスなど)」の3つ。そのうち、蒸し暑くなる夏にとく注意したいのが「細菌」による食中毒です。

細菌が増える原因とは?

細菌は目には見えませんが、人間と同じ生き物です。温度、水分、栄養が揃う環境が揃ったときには、活動が活発になり、生き延びるために必死になって、仲間を増やしていきます。

室温10℃ぐらいで増殖し始め、30~40℃になると増殖スピードは一気に加速していくので注意が必要です。

カレーの菌出典:stock.adobe.com

(例)
1つだった腸炎ビブリオ菌

1時間後には64程度に増殖

2時間後には約4000に増殖

3時間後には約25万に増殖

6時間後には約690億に増殖

味、においでは気づくことができないうちに増殖が進行しています。食べるときに温めれば大丈夫と高をくくらないでください!
鍋の中に入れっぱなしのスープやお弁当の食べかけなどは要注意です。

おいしいと言われている「2日目のカレー」も細菌が繁殖している恐れがありますので、容器に移し替え、冷蔵庫や冷凍庫に入れるなど適切な保存を心がけましょう。

細菌によって食中毒も千差万別

出典:www.ajinomoto.co.jp

表にあるのは食中毒の原因となる菌。サルモネラ菌や病原大腸菌、ぶどう球菌などは割と耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。さまざまな菌が食中毒を引き起こしますが、潜伏期間が長いもの、あっという間に繁殖してしまうものなど、それぞれが異なる特徴を持っているので、表を参照して食中毒を未然に防止していきましょう。

2日目のカレーに潜むリスクとしては、「ウェルシュ菌」であることが多いようです。菌がついた肉や水を使ってカレーなどの煮込みを作ってしまっていた場合、酸素がない状態でも増殖を続け、胞子も熱に強いため、通常加熱では死滅しないとされています。清潔な状態で調理することを心がけ、菌の増殖を防ぐためにも残ったカレーは冷やして保存しましょう。

そのほかにも食肉(レバー刺し、ハンバーグなど)、生野菜などに多い病原大腸菌については、菌が微量でも感染してしまい、重症化しやすい危険な細菌です。生ものの取り扱いや肉の火のとおりに充分注意しましょう。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

広告
saitaとは
広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る