恐ろしくなる細菌の増殖スピード
食中毒の原因として多いと言われるのがは「細菌(病原大腸菌、カンピロバクター属菌など)」「ウイルス(ノロウイルスなど)」「寄生虫(アニサキスなど)」の3つ。そのうち、蒸し暑くなる夏にとく注意したいのが「細菌」による食中毒です。
細菌が増える原因とは?
細菌は目には見えませんが、人間と同じ生き物です。温度、水分、栄養が揃う環境が揃ったときには、活動が活発になり、生き延びるために必死になって、仲間を増やしていきます。
室温10℃ぐらいで増殖し始め、30~40℃になると増殖スピードは一気に加速していくので注意が必要です。
(例)
1つだった腸炎ビブリオ菌
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1時間後には64程度に増殖
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2時間後には約4000に増殖
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3時間後には約25万に増殖
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6時間後には約690億に増殖
味、においでは気づくことができないうちに増殖が進行しています。食べるときに温めれば大丈夫と高をくくらないでください!
鍋の中に入れっぱなしのスープやお弁当の食べかけなどは要注意です。
おいしいと言われている「2日目のカレー」も細菌が繁殖している恐れがありますので、容器に移し替え、冷蔵庫や冷凍庫に入れるなど適切な保存を心がけましょう。
細菌によって食中毒も千差万別
表にあるのは食中毒の原因となる菌。サルモネラ菌や病原大腸菌、ぶどう球菌などは割と耳にしたことのある人も多いのではないでしょうか。さまざまな菌が食中毒を引き起こしますが、潜伏期間が長いもの、あっという間に繁殖してしまうものなど、それぞれが異なる特徴を持っているので、表を参照して食中毒を未然に防止していきましょう。
2日目のカレーに潜むリスクとしては、「ウェルシュ菌」であることが多いようです。菌がついた肉や水を使ってカレーなどの煮込みを作ってしまっていた場合、酸素がない状態でも増殖を続け、胞子も熱に強いため、通常加熱では死滅しないとされています。清潔な状態で調理することを心がけ、菌の増殖を防ぐためにも残ったカレーは冷やして保存しましょう。
そのほかにも食肉(レバー刺し、ハンバーグなど)、生野菜などに多い病原大腸菌については、菌が微量でも感染してしまい、重症化しやすい危険な細菌です。生ものの取り扱いや肉の火のとおりに充分注意しましょう。
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