ぬか漬けをおいしく漬ける方法は?
ナスやきゅうり、キャベツなど多くの野菜を漬けることができます。野菜を仕込む際は、まずよく洗っておきます。半日から1日をかけて野菜を漬けていると野菜の水が抜けます。ぬか床を立ち上げてから長い年月が経ってるものほど、ぬか漬けをおいしくする理由でもありますが、このままだと水っぽくなります。
野菜を漬ける時には「水で野菜をよく洗う→塩を野菜に揉み込む」ことを忘れないようにしましょう。ぬか漬けに厳密な決まりはないので、最初のうちは「浅く漬けたもの(短時間つけたもの)」と「深く漬けたもの(長時間つけたもの)」で味比べをして、自分好みの漬け時間を見つけていきます。
筆者の個人的な見解は、室温が30度くらいの日であれば「朝に野菜を入れて、夜に出して食べるの」がお気に入りです(笑)。
筆者はぬか床にお盆の時期になると売られている、お供え用の小さいビールを買ってきてぬか床にいれて、よく混ぜます。ビール酵母の風味がついて、これが絶品です。食欲が落ちているときは、にんにくや唐辛子を多めに混ぜ込み、香りをよくします。家庭によって、さまざまなものを入れるでしょうが、ちょっと驚かれるのがナスの色合いをよくするための「鉄」です(笑)。女性は生理があるので鉄分が不足します。貧血を起こしやすいので健康にもよいですよ。
ぬか漬けのトラブルの対処法は?
水っぽい場合は?
ぬか漬けが粘土のような状態でなく、水っぽい場合があります。これは乳酸菌がいなくなったのではなく、野菜から出た水が過度なことが原因です。この場合、混ぜる前にキッチンペーパーで余分な水分をとりましょう。それでも「緩い」と感じたときは塩を足すとよいです。「味付けが薄い」と思っていたのなら、昆布や鰹節、干し椎茸や塩で様子をみます。
酸っぱい
ぬか漬けが酸っぱいときは、乳酸菌が多くなってしまっているときです。必ずしも悪いわけでなく、人によって嗜好が異なりますので「おいしい」と思える発酵程度を見つけるのが大事になります。「少し酸っぱい」と思った時点で軌道修正をするとよいですね。野菜を一旦すべて取り出し、冷蔵庫に入れて休ませましょう。この方法は、「旅行にいく」「しばらくぬか漬けを食べない」という時もおすすめです。このように冷蔵したり、あるいは冷凍したりすることによって、カビさせずに乳酸菌の活動を抑えることができます。
魚くさい
鰹節な煮干しをいつもの調理のような要領で入れると「想像以上に魚っぽい匂いがする」ということになりかねません。少しずつ入れていくのが、おいしいぬか床のポイントです。自分のお気に入りの塩味、酸味に風味が決まったら、ぬか床をスプーンで少量すくい、味見します。この味を覚えておくことが「我が家のぬか床」には欠かせないのです。昔は近所同士でぬか床を分けて(床分け)、自分の家と混ぜ合わせたりして交流をはかる地域もあったようです。
味がいつも異なるときは?
漬ける時間をまずは統一しましょう。漬ける時間が短いことや長いことも、「酸っぱい」「しょっぱい」に関係してきます。ぬか漬けの初心者さんは、自分のライフスタイルに合わせて混ぜる時間と漬ける時間を統一しましょう。一夏、気温と味の変化や野菜の水分量で変わる味の変化の要領を覚えていき、翌年から漬ける時間を工夫するのも飽きずにぬか床を楽しむコツになります。
ぬか漬けはまるで大人の自由研究
筆者はぬか床の味を毎日のようにチェックして、「今日はしょっぱいから、お昼から漬けよう」とか「もうちょっと味付けにパンチが欲しいから山椒とにんにく、唐辛子を足す」など毎日のように調整をしています。室内の温度や買ってきた野菜の水分量、風味を足す材料に混ぜる頻度やその混ぜ方まで……。とにかくぬか漬けは奥が深いのです。生きていると言っても過言ではなく、それこそ大事に育てていけば生涯添い遂げることも可能なのです。ぜひ、この夏からぬか漬けとの長い付き合いをスタートさせてみてくださいね!