親にお金を貸してほしいと言われた
今回のご相談者さんは、ご両親から「お金を貸してほしい」と言われ悩んでいるご様子です。ご相談内容を見てみましょう。
30代後半の主婦です。私には年金暮らしになったばかりの両親がいるのですが、最近、実家に帰省したところ、親にお金を貸してほしいと相談されました。
私はすでに結婚して家庭があり、小学生の子どもも2人いるのですが、両親からお金の相談をされて、戸惑っています。
話を聞いてみると、年金暮らしを続けるにあたり、老朽化している実家の改修を行いたいようで、まとまったお金が必要になったとのこと。
実は、両親からお金を貸してほしいと言われたのはこれが初めてではありません。
独身の頃から、少しまとまったお金が必要になると、お金を貸してと言われることも多く、返してくれることもありましたが、そのまま返してもらえていないお金もあり、正直「またか」という気持ちです。断りたいのですが、関係性が悪くなることも考えると、どのように伝えたらよいか迷っています。
親にお金を貸してほしいと言われたらどうする?
両親からお金を貸してほしいと言われたら、「お世話になったから困っているなら助けてあげたい」と思う反面、「本当に返してもらえるのかな?」と心配になってしまいますよね。
一度お金を貸してしまうと、返済が終わっていないうちから次のお金の要求が始まることもあり、どのように対処した方が良いのか迷ってしまうことがあります。
ここでは、投稿者のママのように、親からお金を貸してほしいと言われた時の対処法を一緒に考えてみましょう。
1 一度だけ少額から貸す
親からお金を貸してほしいと言われたら、一度限り、生活に支障がない程度の金額を貸してあげるというのも、親子ですから選択肢の一つです。
なぜお金が必要なのかをよく聞いたうえで、「それならば」と思えるような理由である場合のみ協力し、その後返済が計画通りに進むか様子を見るという方法も考えられます。
返済が滞ったり、何度もお金を無心するようなら、今後は二度と貸さないなどの対策を考えましょう。
親子であっても契約書や返済計画などの作成は怠らないようにし、また税理士さんに相談して税務上の問題が生じないかも確認した上で行いましょう。
2 貸さないことも愛情
「親子なのだから親が困っているときはお金を貸してあげるべき」と考える人もいると思いますが、お金を貸してあげることが必ずしも愛情とは限りません。
時には、苦労をすることになっても、お金を貸さない方が本人のためになることもあります。
貸さないことに罪悪感を持つのではなく、貸さないことも愛情と考えて、時には突き放すということも選択肢のひとつです。
投稿者のママは、親子関係が壊れてしまうことを気にしていますが、お金を貸し続けることで投稿者のママの家庭が壊れてしまう可能性もあるのです。
お子さんがお2人いらっしゃるということですから、お子さんの教育費などを考えると、安易なお金の貸し借りは避けた方が良いでしょう。
ご両親にも率直にお子さんのための費用が必要であることを話し、余裕がないと伝えても良いでしょう。
3 親のお金の問題に向き合う
親にお金を貸すことができないと判断した場合、親と距離を取り離れるという方法もありますが、これを機に、なぜ親がお金に困ってしまっているのかという根本的な原因に向き合うという方法もあります。
親がもしギャンブルに依存して借金をつくっているなど、お金に対する問題行動が原因である場合は、自分だけで解決することが難しいことも多いです。積極的に専門家のアドバイスを求めましょう。
認知の問題などがあり、お金の使い方が分からなくなってしまっているなら、お金を貸すよりお金の管理の手伝いをしてあげた方がよいでしょう。
親のお金の問題に見て見ぬふりを続けると、若いうちは親まかせにできても、のちのち取り返しのつかないような大きな問題となってかえってくることもありますから、早めに対策を考えておく方が安心です。
親にはお金ではなく知恵を貸す
投稿者のママは、お子さんがいらっしゃると考えると、今はお子さんのために少しでもお金を残したい時期です。
実の両親であっても、自分の一存だけでお金の貸し借りを決めるのではなく、ご夫婦でよく話し合い決断することが大切です。
場合によっては、お金を貸すのではなく、知恵を貸す方がご両親のためになる場合もありますので、ご両親への支援は必ずしもお金でする必要はありません。
お金を貸さないことを決断するのであれば、親子関係を保ちつつ一緒に問題に取り組み、ご両親のお金の問題の原因がどこにあるのか考えてみてはいかがでしょうか。
一緒に取り組むことが不可能な場合は、親子と言えども心理的な距離をとることも視野に入れつつ、投稿者のママやご家族が納得できる方法をご両親と話し合いましょう。